メルケル独首相の態度変わらずーEU加盟交渉の障害(Radikal紙)
2006年12月03日付 Radikal 紙

トルコが関税同盟の追加議定書通りに南キプロスに対し開港していないことに対して、欧州委員会は35加盟交渉議論事項のうち、8項目の交渉凍結を通告した一方、いくつかのEU加盟国はこの程度で甘んじてはいない。EUがトルコに対して、態度を硬化させることを最も望んでいるドイツ首相のアンゲラ・メルケルは、交渉を継続させるための共同決定を望んでいることが明らかとなった。しかし同委員会は、交渉項目がすべて凍結されることを通告してはおらず、同議定書を実行させるための期限も設置しなかった。

シュピーゲル誌によればメルケル首相は、トルコが南キプロスへの態度を変化させたとしても、交渉の再開にあたり、12ヶ月もしくは18ヶ月後に27加盟国の投票による決定という条件を要求している。リガで行われたNATOのサミットでこの提案を行ったメルケル首相に対して、南キプロスとギリシャが支持をしたようだ。「トルコの友人」であるドイツ外務大臣のフランク・ヴァルター・シュタインマイヤーまでも、メルケル首相との会話の中で、アテネと南キプロスによる圧力の結果、トルコに対して再評価の条件がつきつけられる可能性があると話したことがわかった。しかしながら、キリスト教民主同盟(CDU)党首である首相とは違い、社会民主党(SPD)所属の外相は、アンカラに対する措置が厳格化されたのはドイツの後押しによるものだったことに反発を示したと報道された。

■オーストリアも賛成する

ロイター通信社に話したEUの外交官らは、ポルトガルがトルコの状況を再評価するための猶予期間の設置に賛成であり、フランスがメルケル首相を支持する意思表示をしたと伝えた。ロイター通信は以下のように報道した。「トルコの加盟交渉資格を再評価する期日を明らかにするよう望んでいるフランス-ドイツ枢軸国に、トルコを疑いの目で見ているオーストリアとオランダも参加することで政治的加速度が得られうる。しかし外交官たちは、ドイツ大連立において社会民主党がメルケル首相の立場を支持しておらず、フランスのシラク大統領もまだ手の内を明かしていないため前述のような(政治的)連合を確定したものとしては見ていない」

フランスのEU常任代表ピエール・スラルは直近の会議で、「我々は2005年9月に、2006年末にトルコを再評価すると言った。なぜ委員会は再びこのような評価を通告しないのか」と話したことが伝えられた。これに対して、委員会同様に反対しているEU議長国のフィンランドは、12月11日に行われるEU外務大臣会議でこの通告が変更されるかもしれないことを認めた。12月11日に合意に達しなければ、決定は12月14日、15日のEU首脳サミットへ持ち越される。委員会のある権威筋は、南キプロスは決定がサミットまで持ち越されることを望んでいることを明らかにした。なぜなら多くのEU加盟国首脳はトルコに対して外務大臣達より疑いの目を向けているからである。イギリス、スペイン、スウェーデンはトルコを支援している。

■実在する爆発

イギリスのガーディアン紙でマルティン・ケトル氏は「2週間後のサミットで下される決定でEUが抱える爆発が起こりうる、この結果ヨーロッパがムスリムたちの望まない方向へ変わってしまう。一方、トルコも西洋化への道から後戻りしうる」と書いた。記事の中でケトル氏は、「エルドアン政権を、ケマリストあるいはイスラム主義者が手中にする可能性がある。一番良くて、トルコの改革者たちがオルハン・パムクの小説にでてくるような悲しい犠牲者になる。最悪の可能性としては、国家が統率できない状況に陥り、トルコはイランやロシアのほうに顔を向けることになる」と警告した。




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( 翻訳者:丹羽貴弥 )
( 記事ID:4042 )