米軍が北イラクに横滑りするのは誤りーエルドアン首相の談話 (Yeni Safak紙)
2006年12月04日付 Yeni Safak 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、テヘランに向かう中新聞記者との談話で、「米軍が北イラクに横滑りするのは個人的には誤っていると思う。そこにはなにも問題がないじゃないか、軍事的に問題があるところにとどまればいい」と警告を行った。

首相は、EU委員会が交渉を8項目で棚上げとするという決定に対して次のように述べた;

「イタリアのロマーノ・プローディ首相と面会した時、『うろたえる必要はない。好都合でさえあった』、と述べた。彼は経験のある、委員会の長をやった人物だ。」

(また)エルドアン首相は、イランの最高宗教指導者アリー・ハーメネイー師との会見に関し、「ハーメネイー師は、特にイラクとレバノンの問題に関して、大変大きな影響がある」と表現した。

■ 協議事項はレバノンとイラク

エルドアン首相は、イラン訪問の主要な協議事項をイラクとレバノンと明らかにした。首相は、レバノンでは、イランとシリアの援助でヒズブッラーが再び政権に参加できるようにすることが必要であると強調し、「今朝(3日)、レバノン共和国のファード・セニョーラ首相と電話会談した。キリスト教徒が政府から閣僚を引き揚げ、衝突を始めれば、レバノンは2番目のイラクになる」と述べた。

エルドアン首相は、アメリカ合衆国のジョージ・W・ブッシュ大統領とリガで会見した。その際、大統領が「イラクに問題がある」と認めたことを引用した同首相は、次のように話を続けた;

「ベーカー・プラン(「イラク研究グループ」報告書)を待つ必要がある。イラクにいるすべての抵抗者も、実際のところアメリカがイラクから撤退することを望んでいる。これがコンセンサスである。イラクで亡くなった人たちのことを考えてみよ。アメリカは3千人の兵士が亡くなった。一方で、何十万のスンナ派とシーア派の人たちの命が失われた。全員ムスリムである。トルコとイラン両国は、スンナ派-シーア派の衝突がやむべく努力しなくてはならない。レバノンの衝突も止めなくてはならない。」

■ この状況を利用しない

エルドアン首相は、ブッシュ大統領と他の西欧諸国のリーダーたちとの会合で、トルコが周辺諸国を訪問することを求められたとし、次のように続けた;

「例えばトルコ側がイランに行く予定を(アメリカ側は)耳にした。ワシントンでの会合で、イランの核エネルギー問題に対して『(まず核利用の)透明性の問題を解決せよ、あとは外交的手段で我々が解決する』というメッセージを(アメリカ側は)伝えた。リガでもまた同様だった。

我々トルコはこの状況を利用する国になりたいとは思わない。仲裁者になることが望まれるなら、両陣営から我々に提案がなされることが必要である。適宜適切な措置をとれば得るものも多かろう。」

首相は、トルコはイランの天然ガスが「熱烈に必要」であることを強調した。そして「政権に就いた際、9「市」に天然ガスがあったが、(いまでは)41「市」にのぼっていると述べ、「トルコのイランとの対外貿易規模は60億ドル(約7080億円相当)に達した」と語った。

トルコとイランの間でPKKのテロ組織の問題に関して協力関係にあることに満足しているとし、「両国の諜報機関はよく活動している」と述べた。



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( 翻訳者:山本裕一 )
( 記事ID:4055 )