テヘラン資産家女性連続殺人事件 第三弾:容疑者男性の妹「兄は自殺を望んでいる」 ハムシャフリー紙
2006年01月23日付 Hamshahri 紙

2006年1月23日付ハムシャフリー紙事件面

【事件部】テヘラン資産家女性連続殺害事件の主犯格として逮捕されたアリー・レザー(29歳・男)の妹がテヘラン首都警察第10課を訪れ、兄のやっていることは一種の自殺だ、と訴えた。

 当ハムシャフリー紙の報告によると、まだ歳も若いこの女性の話しぶりは冷静なものであったとのこと。1メートルの距離から、ひそひそ声で話している印象であったという。その声の奥底には、静かではあるが深い悲しみが脈打っているのが、感じられた。

 警察に兄が無実であることを信じて欲しいと訴え、捜査官の一人に次のように話した。「兄は人を殺せるような人間ではありません。兄は様々な祭儀の際に羊をいけにえにするときでも、羊が犠牲になる様子を見ていられず、手を震わせて羊から視線をそむけるような人でした。信じてください、兄は無実です。どうして兄がこのような犯罪に手を染めたのか私には理解できません。おそらく兄は自らを犠牲にして、誰かの身代わりになろうとしているのです。お願いです、信じてください。兄は自殺しようとしているのです!」。

 警察は容疑者の妹の話を注意深く聞いていたが、首都警察第10課の捜査官らが押収した証拠の数々は、妹の主張を退けるものであった。警察は、盗品を同容疑者の所持品から発見・押収している。また、アリー・レザーは正確に殺害現場を再現し、殺害方法の供述にも素直に応じている。すべての殺害をひとりで実行し、共犯の女(22)は殺害には加担していないとも話している。

 ある警察関係者は昨日、「首都警察第10課で行われた両容疑者の取調べを記録した、2時間のビデオテープの中で、両容疑者は新聞各紙は真実とはいえないような内容を伝えていると主張していた」と話した。新聞各紙が報じている窃盗総額は全て誤りで、両容疑者は「我々はそれほどたくさんのものを盗んではいない」と主張していたという。容疑者らはこの取り調べで、被害者らの家に押し入った動機は強盗目的だけだと再度主張している。

 2人の容疑者に対する取り調べは、テヘラン首都警察第10課でホナルマンド判事のもと、続けられる見通し。

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( 翻訳者:久野華代 )
( 記事ID:1771 )