ドイツ外相がムバーラク大統領と会談 パレスチナ・イスラエル選挙、イラク情勢、イラン核問題について協議(アル・アハラーム紙)
2006年01月20日付 Al-Ahram 紙

■ 暴力放棄を条件にハマースに政権参加の権利
■ ムバーラク大統領に出迎えられたドイツ外相:「選挙の結果パレスチナ人にとって正統性を持つ政府が成立することを希望している」「ドイツおよびEUは、ガザ地区との国境監視におけるエジプトの尽力を歓迎している」

2006年01月20日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 昨日ホスニー・ムバーラク大統領は、ドイツ外相フランク・ヴァルター・シュタインマイヤーと中東情勢やイラク情勢、イランの核問題の展開を話し合った。

 エジプト外相アフマド・アブルゲイトと在カイロ・ドイツ大使マルティン・コブラーが同席した会談の後ドイツ外相は、エジプトとドイツの関係は強固であり、特に中東地域の治安と安定に関する事項において両国は関心を共有していると語った。またカイロでムバーラク大統領と初めて会談したドイツ外相は、パレスチナ・イスラエル間情勢、および両国で総選挙が行われた後、和平交渉再開に向けてどのように事態を進展させるかについて、エジプトの見解を聴いたと語った。

 ドイツ外相は、エジプトがガザ地区との国境監視任務を強化するために取った実施策はもちろんのこと、ガザや中東地域における情勢安定と治安確保のために取った実施策について、ドイツおよびEUからの評価を表明し、ドイツとEUはラファハ通行所での通行を確保するためエジプトに協力すると述べた。

 さらにドイツ外相は、「我々はムバーラク大統領に対し、イスラエルの選挙の結果、交渉途中になっている和平プロセスを継続する政府が成立することを望んでいるおり、また同様にパレスチナの選挙の結果、パレスチナ人にとって正統性を持つ政府が成立することを望んでいると伝えた」と語った。また「暴力を放棄する限り、ハマースを含め、いかなる勢力にも政府に参加する権利がある」と述べたが、ハマースは暴力放棄しないだろうとの考えも同時に示した。またドイツ外相は、本紙記者ウサーマ・アブドゥルアズィーズが取材した記者会見にて、ムバーラク大統領との話し合いではイラクでの政治的進展やイランの核問題も取り上げられたと述べ、イラク情勢にはなお不安があるが、今後発表されるイラク選挙の結果、この国を再建できる政府が樹立されることを望んでいるとの見解を示した。

 またドイツ外相は、イランの目的がエネルギーの平和利用にあるのか、それとも核兵器を製造する目的があるのかという問題に関するイラン側の状況やイランとヨーロッパ諸国間の協議の分析において、両国の意見が一致したと述べた。さらにドイツ外相は、「我々はムバーラク大統領に対し、イラン側との交渉においてドイツ、フランス、イギリスなどのヨーロッパ諸国が依拠している原則や、問題解決に向けてこれらの国々からイランに提示された案について明らかにし、またこの件に関するイラン政府側の言い分についても説明した」と語った。



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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:1786 )