■ 10年ぶりの選挙でファタハとハマースのせめぎあい
■ アッバース大統領:「次のステップは組閣とイスラエルとの交渉だ」
■ アッ=ザハール:「我々はハマース憲章の文言を変更するつもりはないし、政党に衣替えもしない」
2006年01月26日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ガザ-アシュラフ・アブルホウル】
パレスチナの有権者たちは昨日、10年ぶりに立法評議会選挙の投票を行った。選挙では比例区と小選挙区合わせて728人の候補者の中から立法評議会の議員132人が選出される。
比例区ではファタハとイスラム抵抗運動(ハマース)が独立パレスチナや第三の道などにリードしているが、オスロ合意を認めていないにもかかわらず立法評議会選挙に初めて参加したハマースの強力な挑戦に与党ファタハが直面するだろうと観測筋は指摘している。
選挙は厳戒態勢の中行われ、有権者の保護と投票所の警備のためにパレスチナ治安部隊1万3千人が配置されると同時に、31人のエジプト人を含む約900人のアラブ人と外国人からなる監視委員が選挙を監視する。
今回の選挙の特徴として、ハマースが初めて選挙に参加したこと、受刑囚や拘束中の者、そして治安部隊も投票を許されたこと、イスラエルのガザ撤退後初めての選挙であることが挙げられる。
ヨルダン川西岸とガザ地区に1100箇所設置された投票所と東エルサレムの6つの郵便局は、昨日朝7時に開門し、投票は12時間続いた。会場には多くの有権者が詰め掛けた。
目撃証言によれば、ファタハの支持者たちは故ヤーセル・アラファート大統領の写真を手に占領下東エルサレムの道を巡回し、パレスチナの国旗を掲げてからイスラエル側の郵便局での投票に臨んだ。
また、エルサレムにはおよそ2千人のイスラエル警官が配置されたが、投票には干渉しなかったという。投票権を持つパレスチナ人の数は130万人にのぼる。
今回の選挙は比例代表制と小選挙区制の併用により実施された。11の比例リストに記載された314人の候補者たちによって評議会定数の半分にあたる66議席が争われ、残り66議席は16の小選挙区の候補者414人の中から選出される。
パレスチナ大統領府のあるラーマッラーのムカータア地区で投票を済ませた後、マフムード・アッバース大統領は選挙の実施に安堵の意を示し、「あとは投票箱が結果を決める。次のステップは新内閣の組閣だ」と述べた。
また大統領は、イスラエルと交渉する準備は出来ていると述べ、「イスラエルに和平のパートナーを選択する権利は無い」と付け加えた。
パレスチナのアフマド・クレイウ首相は今回の選挙をパレスチナ人民にとっての新たな歴史の1ページと表現し、ハマース躍進の見通しに関する質問に対しては、「それが民主主義というものだ。選挙結果がどのようなものであれ我々はそれを受け入れる」と述べた。
一方、ハマース政治指導部のメンバーであるマフムード・アッ=ザハール氏はガザでの投票後、「ハマースはイスラエルの破壊を主張する憲章を一語たりとも変えるつもりはないし、政党に脱皮するつもりもない」と語り、評議会に参加しても、西岸地区での反占領闘争を続けると強調した。
またハマースの比例リストの第一位を占めるイスマーイール・ハニーヤ候補も、ハマースは立法評議会に加わった後も、抵抗の武器を手放さないと確言した。
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( 翻訳者:豊泉麻衣子 )
( 記事ID:1787 )