トルコ財界、大統領選挙に懸念(Milliyet紙)
2006年12月07日付 Milliyet 紙

コチ財閥会長ムスタファ・コチもまた、エルドアン首相が公正発展党党首であり続けることがより有益になると述べた。アナトリア出身のビジネスマンを対象にしたアンケートの結果は、「首相は大統領候補になるべきでない」というものであった。

 大統領選挙が近づくにつれ、財界からの懸念する声が高まっている。大統領選では政治的緊張が高まる可能性があり、それが経済に悪影響を与えることになることを懸念する実業家達は、選挙が折り合いをもって行われるべきだという見解を示している。この件について初めて、トルコ実業家協会 (TÜSİAD)が重要な発表を行った。
会長オメル・サバンジュは、ミッリイェト紙を訪れ、協会の見解を説明しつつ、期待をよい方向へ向けるためにも政治的緊張関係を避けるべきであること、大統領選挙において前もって折り合いをつけることが信頼をもたらすであろうことを述べた。

■予想される緊張

 実業家達のこの件に関する見解を読むと、エルドアン首相が大統領候補となることが政治的緊張を生み出しかねないという考えが、その行間にうかがわれた。最近この見解がよりはっきりと口にされるようになった。大企業のトップに位置する実業家達は、エルドアンが公正発展党(AKP)党首であり続けることが特に党の利益につながるという見解を示している。
コチ財閥取締役会長ムスタファ・コチは、CNBN-e-ビジネスに向けて行われた説明において、サバンジュ財閥取締役会長ギュレル・サバンジュの「首相が活発な政治活動を続けることが、党とトルコ政府のためになるのだ」という言葉に賛同していると語った。
トルコ商業会議所・商品取引所連合(TOBB)は今のところこの件について明確な説明を避けており、ドゥンヤ紙の行ったアンケートでは、アナトリア出身の実業家の大多数がエルドアンの大統領候補選出を望んでいないことが明らかになった。

■彼らは何を発言したのか?

 財界の中で、大統領選の件が起こしうる政治的緊張についての懸念を最初に口にしたのは、トルコ実業家協会であった。会長オメル・サバンジュは、ミッリイェト紙で行った説明で次のことを述べた。
「折り合いの文化を定着させよう。大統領選挙もこれの範疇である。我々にとってこの職務に誰が就くかよりもむしろ、どのように就くのかが重要である。首相は簡単に政治的緊張を和らげ、折り合いの環境を作る努力をすることができる。トルコ実業家協会として、トルコと政府の利益のためにこれを求めているのだ。
トルコは、すぐに選挙の問題を任せるべきである。現国会が大統領選挙を行うのが好ましい。折り合いがもたれ、なんらかの形でそれが発表されれば、不安定な市場に好影響を与えるだろう。批判をきちんと受け止めず、トルコを政治的緊張へおいやることは間違いであると我々は考えている。」

■オザルやデミレルの例を見ただろう。

 コチ財閥取締役会会長ムスタファ・コチは次のように述べている。
「敬愛する首相は大統領になることを思い描いているのか、私には全くわからないが、ギュレル・サバンジュ氏に私は賛同している。エルドアン首相が活発な政府活動を継続し、党首であり続けることは彼にとっても有益である。私としては、現在の地位、年齢、体力といった点からまだその任務がまっとうできるような職務にあるにも関わらず、どうしてより消極的な地位へ移ろうとするだろうか?彼が政治から離れることは深刻な結果をもたらす。トゥルグト・オザルやスレイマン・デミレルが党首の座から降りた後の出来事を我々は見てきたのだ。」

■活発な政治活動にあることがより有益となる

 サバンジュ財閥取締役会長ギュレル・サバンジュは、エルドアン首相が大統領候補にあげられることについての見解を尋ねられると、「首相はまだ52歳であり、活発な政治活動を続けることが党とトルコ政府にとってより有益であると考えている。」と答えた。

■首相は候補になるべきでない
 
 アナトリア出身の実業家達の意見として、ドゥンヤ紙が48県における278人の実業家の協力によって行ったアンケートでは、アナトリア出身の実業家達の66%が大統領選挙は政治的緊張を悪化させると考えていること、そして75%がエルドアン首相の大統領候補選出を望んでいないという結果が出た。


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( 翻訳者:上田悠里 )
( 記事ID:4073 )