オルハン・パムク:パシャにはならなかったけれどノーベル賞は受賞した(Yeni Safak紙)
2006年12月07日付 Yeni Safak 紙
ノーベル賞受賞のためスウェーデンに滞在中の作家オルハン・パムクは、トルコでは大人たちが子供たちに、「私の息子がいずれパシャになる」と言っており、彼にたいするノーベル賞受賞の期待が高まっていたことを語り、「私はいつノーベル賞を取るのか、といつも聞かれましたが、無事取れました」と述べた。
スウェーデン王立科学アカデミーから今年ノーベル文学賞の栄誉に浴した作家オルハン・パムクは、この賞を得たことが自分にとって「大きな名誉」であると述べた。
スウェーデンの首都ストックホルムにある出版社ノルステットの、リッダルホルメンにあるビルで行われた記者会見には、さまざな国から60人近い新聞記者が集まった。報道関係者たちはオルハン・パムクに、彼の著書とノーベル文学賞に関する多くの質問を浴びせた。
パムクは、「私にとってこの賞を得たことは非常に大きな名誉です。多分、私の人生の中で1、2を争うくらい素晴らしいものです」と述べた。またパムクは、ある報道関係者が彼をロシアの作家ドストエフスキーにたとえたことに関し、「作家であること以外に共通することはありません」と述べた。
著書と作家としての姿勢に関する多くの質問に答えたパムクは、「書くことが私の本質です。どこででもあらゆる物事を私なりに書き、繰り返し解釈し、形作り、伝えることである」と話した。
■イラン文学に興味がある
「今現在イラン文学に興味がある」と言うパムクは、トルコでは大人たちが子どもたちに、「私の息子がいずれパシャになる」あるいは西洋でもこれに似た表現があるとおもうが、そうした期待の言葉を語っていたとのべ、「私はいつノーベル賞を取るのかといつも聞かれました。無事に得た今、もう誰も私にこのような質問はしないでしょう」と話した。
パムクは12月10日の授賞式まで、スウェーデンの文学関係者および識者らの様々な招待を受ける予定である。
■EU問題は残念である
オルハン・パムクは、現在のEUとトルコの関係が自分にとって「非常に残念なものである」と話した。トルコのEU加盟は双方にとって利益があるが、加盟プロセスが抱える問題は悲観的であるというパムクは、「これは今私を苦しめている問題です。トルコがEUに加盟すれば、それはEUにとっては良い事です。そしてトルコの民主主義、経済、そして国民にとっても良い事になります」と話した。
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( 翻訳者:佐藤淳也 )
( 記事ID:4074 )