男女混合・スカーフなしの礼拝グループ、今週は姿を見せず
2006年01月28日付 Milliyet 紙
チャムルジャ(イスタンブルのアジア側にある地区の1つ)のスバシュ・モスクで男女混合で礼拝をしたグループは、今週の金曜日はモスクを訪れなかった。一方で、服装法に抵触するような法衣姿のグループが、女性に配るためという理由で袋にスカーフを詰めて持参した。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の主席顧問ジュネイト・ザプスの夫人ベイザ・ザプスを含む女性たちが、頭に何も被らない状態で男性と並んで礼拝を行ったスバシュ・モスクでは昨日、警察とムフティー支部(※)が警戒に当たったが、緊迫したシーンも見られた。2年間にわたり毎金曜日にモスクを訪れていたこのグループは、昨日は礼拝に加わらなかった。あごひげを生やしたグループが配布用のスカーフを袋に入れて持参した一方、副ムフティーは説法の中で「形式にのっとった礼拝を行う」よう求めた。
■警察による警戒
スバシュ・モスクでは昨日、不測の事態に備えて約300人の警官が警戒に当たった。係員がモスクの入口でロクム菓子を配る一方、イスタンブル県ムフティー局は、グループが同じやり方で礼拝をしないよう対策を講じようとした。(ウスキュダル郡)ムフティー局の職員であるメリイェム・ウチュマとベラト・ムラトが、モスクでの任に当たった。
配布用のスカーフを持参したと述べたウチュマは、「礼拝の形式は明らかであって、その規範ははっきりしたものです。そのやり方を示すために私たちは来たのです。頭に何も被らない人が来たら、スカーフを渡します。被らないと主張しても、もちろん礼拝をして結構です。介入はしません」と述べた。
■副ムフティーの要望
しかし、モスクの女性用スペースは、任務に当たっていた者以外は女性が一人礼拝をしただけであった。グループが礼拝をした中二階も男性だけで占められた。
イスタンブル県のイスマイル・イペキ副ムフティーは、金曜礼拝の前の説法でも、礼拝がいかに行われるべきであるか以下のように述べた:
「全く望まない形でいくつかの問題が起きている。金曜礼拝の際、このモスクで写真が撮られたが、そのような形の礼拝は、我々の信仰の形式にかなうものではない。そうした礼拝を続けないようお願いしたい。礼拝は、他人の外見を気にせずに行われるべきだ。皆が形式に則して礼拝しなければならない。我が国のほとんどのモスクには女性用のスペースがある。女性はそこで礼拝するように願う。服装に関しても、ふさわしい服装で礼拝するように。間違いの無いようにすべきだ」。
■女性記者に反発
一方で、金曜礼拝のためにモスクを訪れた小人数のグループは小ぜり合いを起こした。男女混合の礼拝は信仰に反するという、あごひげを生やしたグループのメンバーは、袋にスカーフを詰めて持参した。グループのメンバーの一人は、質問をした本紙の記者に対し、「関係ない者は入るな。不浄だぞ」と反発した。
スカーフを配る相手を見つけることができなったグループのメンバーは、礼拝後、警察の誘導でモスクから立ち去った。他のグループの一人も記者への暴言で警察により退散させられた。
※ムフティー:イスラーム法の解釈についての意見(フェトヴァ)を出すことのできる権威者。トルコでは宗務庁の地方組織に属するムフティーが各県、各郡に置かれている。
http://www.diyanet.gov.tr/turkish/default.asp参照。
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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:1790 )