国会で“チキンバーベキュー”パーティー開催、鶏肉の安全性アピール(Hürriyet紙)
2006年01月28日付 Hurriyet 紙

鳥インフルエンザで深刻な打撃を受けた鶏肉生産者を支援する目的で、国会で“鶏肉を好きにさせよう”キャンペーンが始まった。トルコ大国民議会農業委員会は安全な鶏肉の消費をもり立てるため、ビュレント・アルンチ議長のお墨付きを得て「鶏肉レセプション」を開く。

トルコ大国民議会で1月31日に開催されるレセプションへは、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の参加も予定されている。鶏肉セクターの抱える問題への注意を喚起し支援する目的で開かれるレセプションの参加者には鶏肉の料理が振舞われる。このようにして世論に対し「一貫生産施設で安全な条件で生産された鶏肉を食べることに問題はない」とのメッセージを伝える。

■バイカルも招待
農業省および保健省、鶏肉生産協同組合と関係市民団体の代表が参加するレセプションには、前夜、ガチョウ料理を食べて生産者を支援する姿勢を示した共和人民党(CHP)のデニズ・バイカル党首も招かれた。しかし、レセプションがCHPの党派会議のある午後1時半に開かれることからバイカル党首の参加は困難であると見られる。

一方、公正発展党(AKP)ディヤルバクル選出のアズィズ・アクギュル議員も、(鶏肉は危ないとの)心理的な要因により安全な鶏肉も売れずに在庫になっていると指摘し、生産者に対し「在庫になっている安全な鶏肉製品を食料銀行(※)へ持ち込んでほしい。貧困層に配ろう」と呼びかけた。30近い食料銀行が貧困層の食糧支援のために活動していることに触れたアクギュル議員は、食料銀行に提供された製品は財務上の損失として計上できると述べた。

■各地で無料チキンバーべキュー
鳥インフルエンザが原因で養鶏セクターが受けた大きな打撃は、生産者から精肉小売店の経営者にまで及んでいる。国内の多くの地域で鶏肉製品を販売する店は、再び顧客を引き寄せるために無料の鶏肉パーティーを開いている。
ケスキンオール社は、ムーラで毎週開かれる市場で住民にコンロの上で調理した鶏肉を無料で配った。会場は無料の鶏肉を求める住民で時おり混雑した。同社関係者は、全国的に鳥インフルエンザ問題の影響で販売が落ち込んでいるためこの手段をとったと述べ、「我々の一貫生産施設で生産される鶏肉製品が鳥インフルエンザに感染していないことを示すために無料配布の手段をとった」 と語った。住民の中には鶏肉をすぐに食べる人や、家に持ち帰る人もいた。

■死者が少数だからといって危険が去ったとは言えない
世界経済フォーラムのため、スイスのダボスに滞在中の世界保健機構(WHO)のデイビット・ナバロ鳥インフルエンザ問題担当調整官は、トルコでの鳥インフルエンザによる死亡率がアジア諸国より低いことを「鳥インフルエンザの危険の低下」と考えるべきではないと警告した。ナバロ氏は会議の外で新聞記者へ行った会見で、「目に見える形での次の感染に備えて今から用心しておく必要がある」と語った。

(※)食料銀行(gıda bankaları):スーパーマーケットなどから品番の付け間違いや不完全な包装により売り場に出せない、あるいは食べられるが賞味期限の過ぎた食品を寄付してもらい、貧困層の食料支援に活用するための組織。現在国内の26県に設置。
参考:http://hurarsiv.hurriyet.com.tr/goster/haber.aspx?id=3694545&tarih=2005-12-23

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( 翻訳者:清水 葉月 )
( 記事ID:1791 )