イスタンブルのスバシュ・モスクでの男女混合礼拝議論はアンカラに飛び火した。今度は長い歴史を持つハジュ・バイラム・ヴェリ・モスクでの金曜礼拝時の女性締め出しが問題となっている。モスクから締め出された女性たちが、雪の上で金曜礼拝をしている姿は、人々の反感を呼んだ。アルトゥンダー郡のムフティー（イスラーム法学の権威者）、ムアッメル・トゥランは、2万人の信徒を抱えるモスクの収容人員は2千人であるとし、「金曜礼拝は、女性にとって宗教上の義務でない。家でするか、（より大きな）コジャテペ・モスクに行けばよい」と答えた。

■今後も継続
トゥランは、女性にとって「宗教上の義務でない」という理由から、長年にわたって金曜礼拝時にモスクの女性用スペースを男性に使わせていたことを明らかにし、金曜日以外には、上の階にある400人収容のスペースを女性専用にしているが、金曜日は女性を中に入れないようにしていると語った。今後も金曜礼拝時にモスク内に女性を入れることは難しいだろうと話すトゥランはこう続けた。「そもそも金曜礼拝は、女性にとって宗教上の義務でない。礼拝をするのは自由だが、男性のように何が何でもしなくてはならない、というものでない。昼の礼拝として、家でも済ませられる。男性参加者に『女性優先にしよう』などとは言えない。モスクには女性に半分割り当てられるほどのスペースはない」。

■女性の扱いに問題なし
モスクが女性を二流市民扱いしているなどということは決してないと主張するトゥランは、女性からはモスク内での金曜礼拝を望む声もあるとしながらも、「女性にも門戸を開いているが、スペースがない」と語った。

■野党党首：これは文化的問題
祖国党のエルカン・ムムジュ党首は、ハジュ・バイラム・モスクへ金曜礼拝に訪れた女性が建物の外に締め出されていることについて、「文化的問題」だとの認識を示した。ムムジュは、今回の出来事は宗教では解決しえないだろうとし、「あらゆる場面で女性が不当に扱われているように、この（宗教的な）領域でも同じ事が行われている。一刻も早くこうした差別を撤廃する必要がある。私が意図するのは、あらゆる場面における改革であり、宗教に限ったことでない」と述べた。

■宗務庁動かず
「金曜礼拝のためハジュ・バイラム・モスクを訪れた女性が締め出されていることをどう考えるか？」という質問に対し、正道党のメフメト・アーアル党首は、「モスクは、平穏な礼拝の場であり、モスクの問題が政治や議論の場と一緒にされない必要がある」と答えた。
宗務庁の担当者も、ハジュ・バイラム・モスクに対し改善するよう通達はしないとし、今後もしないだろう、と述べた。

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（ 翻訳者:井上　さやか ）
（ 記事ID:1804 )