■ シャロン首相、重度の脳出血に襲われ意識不明
■ オルメルト副首相が職務代行 ネタニヤフはリクード所属閣僚の辞職を取り止め
2006年1月5日付アル＝ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、ロイター、AP】
イスラエルのアリエル・シャロン首相の容態が昨夜急変した。シャロン首相は激しい脳内出血を伴う脳内血栓に襲われ、すぐにエルサレムのハダーサ病院に搬送された。医師たちは夜に行われた手術で回復するかも知れないと説明しようとしていたが、首相は危険な状態にあり、意識不明のようだ。そのため、イスラエルの政局はどのようになるのか分からなくなった。イスラエルは今年3月28日に総選挙をひかえており、世論調査によればシャロン首相がリクードから離党して11月に設立した「カディマ」党は圧倒的に優勢であった。
観測筋はシャロン首相の病がイスラエル総選挙の日程に影響することはないとしているが、シャロン首相本人と強い繋がりのあるカディマ党には影響があるとの見方が広まっている。それは、イスラエル労働総同盟「ヒスタドルート」の指導者アミール・ペレツ氏がシモン・ペレス元首相から労働党党首の座を奪取したことに始まったイスラエルの国内情勢の流動化を再び招くものである。政局はペレス氏が「カディマ」に移ったことで終わったわけではなかったようである。
イスラエルの政局の行く末が分からなくなったことで、「カディマ」がその支持勢力として自ら任ずるパレスチナ・イスラエル和平プロセスの行方も分からなくなる。中東和平プロセス全体は今回の展開と無関係ではないといっても過言ではない。
シャロン首相の容態悪化の知らせが報道されるとすぐに、ホワイトハウスはただちに、ジョージ・ブッシュ米大統領は「勇敢な男であり、平和の男である」シャロン首相の健康状態への「憂慮の念」をイスラエル国民と共有していると発表した。
また、別の声明でコンドリーザ・ライス国務長官は「シャロン首相とその家族、そしてイスラエル国民と同じ気持ちで同じ祈りを捧げている。首相の完治を望む。」と述べた。
（後略）
現地の新聞はこちらから
（ 翻訳者:豊泉麻衣子 ）
（ 記事ID:1673 )