議会へ提出されたシェムディンリ事件報告書は「検閲」済み(Milliyet紙)
2006年01月08日付 Milliyet 紙
トルコ大国民議会(TBMM)調査委員会は、内務省調査委員会捜査官によるシェムディンリ事件報告書の提出を求めた。(これをうけて)内務省がトルコ大国民議会に送った「検閲済み」の書類が論争の原因となった。国会議員たちは、16ページからなるオリジナルの報告書ではなく、最初と最後のページのみ(p.1とp.16)が送られてきたことに反発し、「我々をからかっているのか。」と述べた。
二名の主席捜査官が作成した報告書について、内務省はトルコ大国民議会にその内容をまだ報告してはいない。しかし11月9日の爆発事件のあとにハッキャーリで行われた会議についての報告書は提出した。この会議は、軍警察(ジャンダルマ)、警察、国家諜報機構、幕僚本部、各省庁の責任者からなる一行が参加したものだった。
■報告書の14枚が抜き取られていた
書類をひろげた国会議員たちはあまりのことに呆然とした。本来の内容が書かれている14枚分ものページが抜き取られていたのだ。第1ページでは、会議に参加した治安関係部局、官房部局の名称が列記され、第16ページには「当該地域でテロ事件が継続しており、テロと戦う部局の装備および資金の不足」といった数行の内容が書かれていた。
内務省のこの態度は、トルコ大国民議会調査委員会による最近の会議で議論された。一部の国会議員は、「内務省は我々をからかっているのか。トルコ大国民議会調査委員会は、国から情報を得ずして事件をどうやって解決するというのか。警察からの参加者も口裏を合わせたように何も発言しない。当委員会が知ってはまずいことがあるのか。それとも国会議員を信用していないのか。」と不満をあらわにした。
ムサ・スヴァジュオール調査委員長(公正発展党)は、「報告書の全部を要求しよう。」と言う議員たちにはじめは「必要ない。」と答えた。
メンバーの大多数が強く主張したことを受けて、調査委員会において「報告書の全ページを要求すること」が決定された。このため、6日、内務省あてに再び要請書が送付された。
■ススルルク事件報告書
ススルルク事件報告書は、クトゥル・サヴァシュ氏が代表を務めた首相府捜査委員会によって1997年に作成され、「検閲なし」でトルコ大国民議会へ提出された。同年、この報告書は公表されたが、そのうち11ページ分は内密にされ、メディアに渡されなかった。
世論に隠されたこの11ページ分には、国際問題に発展しうる作戦行動が記されていた。
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( 翻訳者:湯澤 芙美 )
( 記事ID:1676 )