イスラエル首相の容態いぜん深刻(アル・ナハール紙)
2006年01月07日付 Al-Nahar 紙

■ ムバーラク大統領、オルメルト首相代行に連絡 ライス米国務長官はアジア歴訪を中止
■ シャロン首相、再手術の後も依然深刻な容態
■ カディマ党と労働党、ペレス元首相の支持獲得を競う

2006年1月7日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【ラーマッラー:ムハンマド・ハウワーシュ、諸通信社】

 イスラエルのシャロン首相はエルサレムのアイン・カーリムにあるハダーサ病院にて依然として昏睡状態が続いており、昨朝に首相を襲った新たな脳内出血を止めるための再手術が行われるなかで、エフード・オルメルト首相代行とアミール・ペレツ労働党党首はシモン・ペレス元首相の支持を得ようと競っている。ペレスは先頃労働党を脱退してシャロン首相の新党「カディマ」に参加しており、カディマは来る3月28日に行われることになっている総選挙をひかえての世論調査で現在に到るまで優勢に立っている。またエジプトのホスニー・ムバーラク大統領はシャロン首相の容態を気遣ってオルメルト首相代行に連絡をとり、米国のコンドリーザ・ライス国務長官も連絡をとった。ライス長官は、イスラエル首相の病状を理由にアジア歴訪を取りやめた。

 ハダーサ病院のシュロモ・モール・ユースフ院長は記者会見で、外科医師団は緊急手術中にシャロンを襲った新たな脳内出血を止めることに成功したと発表した。首相の容態は未だ深刻な状況にあるが、安定しているという。院長は「手術の間、脳内の血圧を下げ、以前の手術で残っていた血液の塊の一部を吸い出すことに成功した。手術の終了によって多量の出血はなくなった」と述べた。そして、以前のレントゲン写真と比較して脳内の状態は「明らかに良くなっている」と話したが、「彼の容態は依然として深刻であるが安定している」と付け加えた。

 病院は先に、シャロンは麻酔をかけて人工呼吸器を施した状態にあり、新たな出血と脳の血圧上昇を食い止める手術をする必要があると発表していた。

 医療専門家は、シャロンが脳卒中に襲われてから2日後に新たな出血が起きたのは危険な状態であると述べている。

 手術に参加した外科医の一人であるフェリクス・ウマンスキー教授は、首相は「助かる見込みはまだある。100%の確率で回復すると断定は出来ないが...彼は良くなっている。我々は2、3日待たなければならない。そして再度CTスキャン検査をして、もし他に問題がないということがはっきりすれば、首相を昏睡状態から覚醒させる処置にとりかかる」と述べた。

(後略)



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( 翻訳者:遠藤さやか )
( 記事ID:1681 )