政治家に投げつけた物の種類で処罰に差?:卵は有罪、トマトは無罪!(Radikal紙)
2006年02月15日付 Radikal 紙

メルスィンでエルドアン首相へ卵を投げつけた5人の青年に有罪判決が出た。この判決は、かつて政党党首に対する抗議目的でトマトを投げて無罪となった最高裁判決や、イスタンブルの思想犯裁判で被告へ卵を投げつけた者を「捜査しない」決定と矛盾する。

 5 人の青年の逮捕は三つの点で問題となっている。一つ目は、この逮捕決定が適法かどうかという問題である。実は適法ではない。なぜなら、刑事法廷で最終判決を下す立場にある最高裁は、メルスィンの裁判所とは逆に、幹部への抗議を理由とした食物の投げつけを有罪と見なさなかったからである。1999年4月18日、メスト・ユルマズ元祖国党党首がエラズーの集会で発言中、ある集団が抗議し、トマトを投げつけた。このとき逮捕されたニハト・チェリキとフアト・チェリキ兄弟に対し裁判が開かれた。エラズー第一刑事裁判所は、チェリキ両被告に対し第2911項の「集会・デモ法」違反により1年半の実刑判決を下した。しかし一審を控訴した最高裁判所第8刑事法廷は、一審の決定を満場一致で却下した。却下の決定にあたり、ユルマズ元党首に抗議目的でトマトを投げたことは、「行き過ぎ」であるが、同時にこのことは「処罰を要しない」という判断がなされた。

 メルスィン事件の判決における問題の二つ目の理由は、かつて似たような事件で異なった処置がなされたことである。この事件に最も近い例はイスタンブルでの思想犯裁判である。オルハン・パムク裁判をはじめとする思想犯裁判の原告側を支持するデモ隊が被告に卵を投げつけたのだ。しかしこの事件では関係者に対する捜査さえ行われなかった。

 問題の三点目は、西洋との比較である。国の指導者へトマトや卵、パイなどを投げつける行為は、西洋ではどこでも常に抗議の手段として見られる。



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( 翻訳者:塚田 真裕 )
( 記事ID:1901 )