元「南レバノン軍」メンバーらがレバノン政府に恩赦を要請(アル・ナハール紙)
2006年02月09日付 Al-Nahar 紙

■ 元「南レバノン軍」メンバーらが恩赦を要請
■ ラハド元司令官「帰還のための環境は未だ熟しておらず」

2006年2月9日付アル=ナハール紙(レバノン)HP社会面

 ユナイテッド・プレス・インターナショナル(UPI)通信社の伝えるところによれば、イスラエルにいる「南レバノン軍」の元メンバーたちが、自分たちの帰還を可能にするよう恩赦を発令することをレバノン国家に求めた。

 ナハリヤのレバノン人問題調整役を務めるユースフ・カリーム・アル=ハーッジ氏は同通信社に対して、レバノン人が帰還しても「結局は刑務所に入るためのもの」ならば拒否すると語り、「我々は(ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長とミシェル・アウン議員が)帰還を呼びかけてくれたことに感謝している。しかしながら我々は、イスラエルにいる全てのレバノン人を対象とする恩赦が国会で可決されるよう求める。そうでなければ我々は安心することができない」と述べた。

 ハーッジ氏はナスルッラー書記長とアウン議員の呼びかけを「不完全で不確かなものだ」と描写し、「以前にも[キリスト教マロン派]大司教会議から我々に帰還の呼びかけがあり、イスラエルにいた多くのレバノン人がその呼びかけに応えたが、彼らはレバノンの刑務所に投獄されるという運命を辿った。もう我々はそんなことを繰り返したくないのだ」と述べた。

 またハーッジ氏は「イスラエルのレバノン人を代表する者は一人もいない。というのも、ラハド[元南レバノン軍司令官]は我々のことを忘れ、テルアビブに住んで商業を営み、個人的な利害のみを代表しているからだ。彼はテルアビブにレストランを持っており、最近パリとニューヨークにもレストランを開いた。イスラエル北部にはアラク酒(ニムロド・アラク)の製造工場を所有し、フランスワインを輸入している。彼は実に、南レバノン軍の資金から取った我々の金で商業ビジネスを展開しているのだ。彼はその金をレバノン人に返すべきだ」と主張した。

 一方、ラハド元司令官は帰還呼びかけに対するコメントや返答を拒否した。ラハド氏に近い匿名の消息筋によれば、「ラハド氏はレバノン帰還のための環境は未だ熟していないと考えており、恩赦の発令には反対している。何故ならそれは、南レバノン軍のメンバーがあたかも犯罪を犯したかのような印象を与えることになるからだ」という。また同筋はラハド氏がパリその他にレストランを開いたとの情報を否定し、南レバノン軍資金問題に関して主張されていることを証拠付けるものは何もないと指摘した。

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( 翻訳者:「南・西アジア地域言語論(アラブ・メディア翻訳)」2月10日 )
( 記事ID:1932 )