EU共通外交上級代表がムバーラク大統領およびアズハル総長と宗教への中傷を禁じる国連決議をめぐって協議(アル・アハラーム紙)
2006年02月15日付 Al-Ahram 紙
■ ムバーラク大統領、預言者や宗教への中傷を禁止する国連決議の採択についてソラナEU共通外交上級代表と協議
■ ソラナ上級代表:「宗教的信条を擁護するための国際的なメカニズムの構築に関して議論が行われた」
■ アズハル総長:「聖なるものを軽視する者に対して罰を課す国際的な決議を要求する」
2006年02月15日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
ホスニー・ムバーラク大統領は昨日、ハビエル・ソラナEU共通外交・安全保障上級代表をヘリオポリスの大統領府に迎えた。
会談後にソラナ氏は、大統領と共に数々の問題、中でも、預言者ムハンマドを中傷する風刺画をヨーロッパの諸新聞が掲載したことによって引き起こされた危機を鎮めるためになされている努力の一環として宗教的シンボルや信条を擁護するためのメカニズムを構築するという問題について、詳細で率直な話し合いを行ったと発表した。
ソラナ氏は、宗教とそのシンボルへの中傷を禁じる国連決議の採択に関してはいくつかの考えがあるが、今はそれらを公表する時ではないと述べたうえで、それらの考えを現実化させたいという自身の希望を表明した。
さらにソラナ氏は、一週間前にEUと国連およびイスラーム諸国会議機構が出した共同声明の中で謳われた諸原則を適用する方法についても話し合われたと語り、最近、他の組織ともあわせて国連内に設立された「人権委員会」の枠組みを用いてそれらの原則の適用を可能にすることが出来るという考えを明らかにした。
ソラナ氏によればこの共同声明は、報道の自由は責任の自覚を伴い、あらゆる宗教の信条や教義に敬意を払わなければならない、と記している。
またソラナ氏は、「ムバーラク大統領は、ヨーロッパとイスラーム世界の間には共同で解決にあたらねばならない多くの問題があり、時間を無駄にしてはならないと私に言った」とも語った。
大統領との会談後、ソラナ氏はアズハル大学へ向かい、ムハンマド・サイイド・タンターウィ総長に迎えられた。そこでは国連と安保理が、預言者や使徒および宗教的に神聖なるものを傷つけるいかなる言動も禁止する決議を出すことの必要性をめぐり議論がなされた。アズハル総長は、決議には違反者への制裁が記されるべきであり、また預言者たちへの敬意を保証し、今後の反目や憎しみの扇動を禁じるためには、全てのイスラームおよび非イスラーム諸国に適用されねばならないと強調した。
(後略)
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( 翻訳者:岡本亜有子 )
( 記事ID:1940 )