フェリー沈没事故の犠牲者家族への補償金支払いはじまる(アル・アハラーム紙)
2006年02月16日付 Al-Ahram 紙

■ 犠牲者の364家族に計253万ポンドがひとまず支払われる
■ 犠牲者の遺族には今後補償金全額が支払われ、近々遺産の申告もはじまる見通し
■ 被災フェリーのブラックボックスの位置特定、数日のうちに引き上げか

2006年02月16日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 国家機関によりフェリー「サラーム98」沈没事故の犠牲者遺族への補償金支払いが開始され、9つの県でこれまでに364家族に対し、総額253万ポンドが支払われた。また生存者に対してはそれぞれ1万5千ポンドが、また遺族には葬儀費用として5000ポンドが社会保障省によってひとまず支払われた。これは全ての犠牲者家族に3万ポンド、生存者に1万5千ポンドの補償金を支払うというホスニー・ムバーラク大統領の決定にともなう措置として実施された。

 アリー・ムサイラヒー社会保障相が本紙のファウキーヤ・アル=クーリー記者に明らかにしたところでは、残りの補償金の支払いは、新法が制定され、事故発生から15日経過した時点で行方不明者を死亡者とみなすという法規が修正され次第、実施されるという。また同相は、これまでに寄せられた寄付金の合計が1940万ポンドに達したとも語った。

 また同相は、死亡証明書の発行を厚生省の管轄とする件、および遺産申告の手続き簡略化について、厚生省・法務省・社会保障省の間で調整済みであることを確認した。

 これに関し法務相は、訴えを審議するその場で遺産申告書を発行するよう各裁判所に対して指導を出した。これは必要書類を入手でき次第、速やかにかつ正確に補償金を支払うことができるようするための措置である。

 一方、海上保安局は沈没したフェリー「サラーム98」のブラックボックスの位置の特定に成功した。ブラックボックスは正常に機能していることが確実で、海底からその位置を知らせる信号を送りつづけている。さらに事故の前後12時間の記録を残していることも明らかになっており、これを引き上げることができれば悲劇的な沈没事故の真相究明に役立つと見られている。

 また本紙のサラーフ・アブドゥルアズィーズ記者が得た情報によれば、ブラックボックスの引き上げには2日かかり、中身の分析は国外で行われる予定である。


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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:1941 )