ギュル外相の酷評をうけて、新聞記者が反発(Milliyet紙)
2006年02月24日付 Milliyet 紙

 ギュル外相の、「トルコのジャーナリズムは隠密行動や外交上の駆け引きを暴露していると思う。」という発言に、トルコ新聞記者協会は反発を示した。

■「責任転嫁せず情報を伝えよ」

 トルコ新聞記者協会(TGC)の見解: 失政や論争を巻き起こすような政策を前にし、ジャーナリズムに罪を罪を被せて保身を図る伝統は残念ながら尽きることがない。そのような態度の最新例が、現在問題となっている責任転嫁の問題だ。ジャーナリズムが、一側面からの情報や解釈だけに重きを置くことへの願望を反映したこの責任転嫁は、不当で見当違いな、現実から離れた不幸な視点を反映したものだ。元来、大臣に課せられた責務とは、罪を被せることではない。大臣はメディアに対して、早く正確に詳しく情報を伝達しなければならない。

 報道協議会総局の対応: 「報道協議会高等委員会は、道徳に反する特殊な利益のためにジャーナリズムが利用されることについて、紙媒体、音声媒体、視覚媒体またはインターネット媒体で記者活動を行うジャーナリズムに対して一括して向けられた不当な主張に対しては、提訴を待たずに調査を行う。」という報道協議会協定11/c条項に従って調査が開始された。調査の内容として、ギュル外相の主張の根拠となる記録と情報を報道協議会に送付することが求められた。

 ナーズミー・ビルギン氏(トルコ記者連盟およびトルコ新聞記者協会会長)の見解: 「トルコのジャーナリズムのすべてが、外交の駆け引きの道具だという言動は、たわ言の結果だ。ハマスの招待は政治が選んだことだ。ギュル外相が、この訪問の責任をトルコのジャーナリズムのせいにしたことを認めることはできない。」

 現代新聞記者協会(ÇGD)の見解: 「ギュル外相は、政権自身の怠慢をジャーナリズムに安易に転嫁している。トルコのジャーナリズムは、分別を持って、客観的に、その任務をプロフェッショナリズムの内で果たしている。トルコのジャーナリズムが、外交上の駒として見なされることは認めることができない。」

 外交報道協会(DMD)の見解: ギュル外相の発言を「不当で遺憾」と評した。外交に関する報道は世論に対して、正確、誠実に情報を伝えること以外に目的を持たず、その枠組みの中で多くの困難と戦い、本質的で責任あるジャーナリズム観を譲ることはない、と述べられた表明では、次々と起こる不祥事の背後でジャーナリストへの責任転嫁が習慣となっていると述べられた。

■ギュル外相への非難声明

 ギュル外相の発言は、12の記者協会による共同声明で非難された。ミッリイェト紙のトップで昨日伝えられた記事に関連して、「G-9プラットフォーム」から出された「脆弱な政権」というタイトルの表明で、「親愛なるギュル氏によるこの責任転嫁は、普遍的プロフェッショナリズムを持ち、普遍的な人権の枠組みの中で職務の遂行に努めるジャーナリストたちへの大きな不正である。」と述べられた。

■12の記者協会(G-9プラットフォーム)

 「現代記者協会」、「外交報道協会」、「経済報道協会」、「写真報道協会」、「議会報道協会」、「プロフェッショナル報道カメラマン協会」、「ラジオ・テレビ記者協会」、「ヨーロッパ記者同盟トルコ代表部」、「トルコ記者協会アンカラ代表部」、「トルコ・スポーツライター協会」、「トルコ記者組合」、「情報労働組合(ハベルセン)」が構成する「G-9プラットフォーム」が伝える所では、ジャーナリスト団体による、これほどの規模の意見表明は、公正発展党政権になって初めてである。

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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:1961 )