ムハンマド風刺画問題への抗議運動、トルコ国内でも次々と拡大(Milliyet紙)
2006年02月05日付 Milliyet 紙

 イスラーム世界に不快感を与えた風刺画に関して、トルコで3日、金曜礼拝終了後に小規模に始まった抗議運動は、全国になだれのように拡大している。

・ エルズルムでは、ウル・モスク前に集結した団体が、ジュムフリイェト通りでスローガンを掲げながら行進した。
・ アダナでは、至福党の党員、アナトリア青年誌の発行者たち、消費者組合アダナ支部の職員・組合員からなる200人がイノニュ公園に集まった。デモ隊は、女性グループと男性グループに別れた。そして風刺画を掲載した新聞・雑誌を出版する国々の製品のボイコットを呼びかけるスローガンを掲げた。
・ コンヤでは、視覚障害者保護協会のヴェリ・オザーン代表が、風刺漫画の掲載に対する抗議として、25人のメンバーとともに協会本部で24時間のすわりこみを始めた。


■ボイコットを呼びかけ
・ ネヴシェヒルでは、ネヴシェヒル有志市民社会プラットフォームが、ノルウェー、フランス、デンマーク製製品のボイコットを呼びかけた。
・ サムスンでは、共和国広場に集まった団体が、デンマークを非難するスローガンを叫んだ。
・ スィヴァスでは、公務員組合連盟スィヴァス支部のメンバーが、デンマーク、ノルウェー、フランス、ドイツ、スペイン、オランダ、イタリア、スウェーデンと書かれた白い風船を持ち、これらの国の製品のボイコットを求めた。


■イスラーム恐怖症を非難する声明文
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、イスラーム世界の反発を招いた預言者ムハンマドの風刺画を描いた作家を「愚か者」と評し、デンマーク首相がかかえ始めている頭痛が今後さらに悪化するだろうと述べた。エルドアン首相は、スペインのサパテロ首相と「文明間同盟」の枠組みの中で声明文を作成したことを述べ、この声明文が2月6日以降にヨーロッパのメディアに取り上げられることを明らかにした。アナトリア・アスランラル実業家協会の例会で話をした首相は、「ユダヤ人差別が人道に対する罪と認められているのならば、イスラーム恐怖症もまた人道に対する罪だと声明文に盛り込むべきだと主張し、盛り込まれることになった。」と話した。


■バイカル党首:十字軍的思想だ
4日、デニズ・バイカル共和人民党党首は党の県連集会で、風刺画騒動についてヨーロッパ各国の首脳に辛辣なメッセージを送った。同党首は、風刺画を「表現の自由」だと主張する各国首脳に対し、「十字軍的思想にとらわれている」と主張し、「言い訳はありえない。全世界に謝罪せよ。」と述べた。


■ギュル外相:挑発行為だ
アブドゥッラー・ギュル外相は、風刺画問題を次のように評した。「出版の自由は当然のことながら全ての国で保障されるべきものだ。しかし、『自由』だからといって、各人の価値観に対する尊重がないがしろにされていいわけはない。今日、世界の人々の相互理解がより求められている中で、今回のことは一部の人間によるあからさまな挑発行為だ。」


Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:湯澤  芙美 )
( 記事ID:1844 )