エルドアン首相、不正蓄財疑惑に弁明 「車も結婚式の贈り物も妻の所有」(Hürriyet紙)
2006年02月02日付 Hurriyet 紙
エルドアン首相の未公開資産が5年前にアンカラ第7下級刑事裁判所に提出された資産報告書に掲載されていた。エルドアン首相は2001年9月10日に公正発展党代表として第7下級刑事裁判所に資産報告書を提出していた。この文書によれば、長男アフメト・ブラク・エルドアンが首相への借金を返済した後、首相自身は4300億リラ〔注:約3200万円〕の富を手にしている。
■「大きな変化はない」
エルドアン首相は野党から「資産を公開せよ」という圧力をかけられていると側近に明かし、「5年前に不正蓄財を疑われて裁判沙汰になり、そのときに裁判所に資産報告を行って潔白が証明された。実際のところ、資産には当時と比べてたいした変化はない。マスコミに公開していない資産はない」と述べた。エルドアン首相は、他の政党党首が行っている銀行口座預金額の公開を資産公開として認めていない。首相は側近に、「他の党首たちのやり方を観察するつもりだ。しかし近いうちに必ず資産公開はする」と言う。
■「株を売っただけ」
エルドアン首相が側近に明かした情報によると、資産のうち最も重要な変化はウルケル社〔注:エティ社と並んでトルコ最大手の製菓メーカー〕の製品販売請負会社の株式を売却したことだった。首相は、ウルケル社製品販売請負会社であるエムニエト食品有限会社とイフサン食品有限会社・株式会社の株式を12%所有していた。この株式を弟のムスタファ・エルドアン氏と義兄のズィヤ・イルゲン氏所有の株式とともに2005年2月2日に3兆リラ〔注:約2億3千万円(当時)〕で売却した。
■家の売買
また、エルドアン首相の側近筋によれば、首相はイスタンブルのウスキュダルにあるエムニエト地区の家を近々売却し転居する予定で、2軒の庭付き一戸建てを購入したという。公式には発表されていないが、同郷のメフメト・ギュル氏によれば、この家はエムニエト地区から500メートルほどのところにあるクスクル地区の高級団地の中の「隣接してプールがある2軒の庭付き一戸建て」だということだ。この2軒の庭付き一戸建ては2005年に150万ドルで購入されたということである。エルドアン首相は側近らに「この家は今住んでいる家を売って購入した」と話しているという。
■首相の兄「資産は給料だけだ」
エルドアン首相と野党の共和人民党党首デニズ・バイカルの間の資産論争に、イズミットのユヴァジュク市で食堂を経営している首相の兄、ハサン・エルドアン氏も加わった。ハサン氏は「弟の資産は給料だけだ。他にいったい何を公開するというのだ。弟は2人の息子と1人の娘を結婚させた。そのうち一人はまだアメリカで勉強中だ」と言った。
公開すべき資産はないと弟をかばうハサン氏は次のように語る。
「弟とは行き来があるが、これほどの金持ちであることも家のほかに別の部屋を持っていることも知らない。リゼ〔注:黒海沿岸部の茶の生産で有名な町。エルドアン首相の出身地〕に2000平方メートルの土地を持っている。そこにいる息子は嫁とともに茶の刈り取りをしている。彼らはその茶で3~4000新トルコリラ〔注:26~35万円〕を稼ぐ。それだって生活するには足りないくらいだ。」
■一家の資産預かり人エミネ夫人
「不正蓄財」疑惑に関する議論について首相自身は、息子の結婚式で送られた金の飾りはエミネ・エルドアン夫人が保管し、フォルクスワーゲンの乗用車もエミネ夫人の名義になっていると弁明した。エルドアン首相はアンカラの共和国検察庁に次の証言をした。
■「贈られた金は妻が保管」
「息子アフメト・ブラク・エルドアンの結婚式で174個の金の飾りが贈られた。また、78億トルコリラ〔注:約57万円(当時)〕相当の飾りも結婚式の際に贈り物として受け取った。これらは現在妻のエミネ・エルドアンが保管している。息子からは22万ドルと5500ドイツマルクを私への借金返済として受け取った。これらはいずれも公開済みの銀行口座に預けてある。他のものに変えたりはしていない」
■「土地を売却した」
「この段階ではまだ発表できないが、今度の資産公開の不動産の項目では、1998年に公開した資産報告書にイスタンブルのサマンドゥラ地区にある1800平方メートルの土地として表記されている不動産をいついくらで売ったのか、明記する予定だ。他の不動産の価格変動については、市場の状況や為替レートに基づいて公開する。フォルクスワーゲンの乗用車は妻の名義であり、同様に結婚式で贈られた飾りも妻の所有だ。」
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( 翻訳者:宇野陽子 )
( 記事ID:1848 )