■ハマースの勝利の激震
■ハマースが76議席を獲得し、組閣を準備
■43議席のファタハ、初の野党に
■ブッシュ大統領、暴力放棄とイスラエルの生存権承認をハマースに要求
2006年01月27日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ガザ-アシュラフ・アブルホウル、ワシントン-ホダ・タウフィーク】
政治的激震と評される展開のなか、ハマースはパレスチナ評議会選挙で大勝利を実現し、初めて組閣を可能にした。
パレスチナ中央選挙委員会が昨日発表したところによれば、ハマースは立法評議会の132議席中76議席を獲得し、対するファタハは46議席であった。
選挙結果が発表されたすぐ後に、アフマド・クレイウ首相率いるパレスチナ自治政府内閣は総辞職する旨をムハンマド・アッバース大統領に報告した。パレスチナ大統領府内の情報筋によれば、アッバース大統領はクレイウ首相の辞職を受諾するとともに、新内閣が組織されるまで政務を執り行うよう、クレイウ氏に命じたという。
パレスチナ側の和平交渉責任者であるサーイブ・ウレイカート博士は、ラーマッラーにある大統領府でアッバース大統領と会談した後、大統領はハマースに組閣を任じることになるだろうと語り、ファタハが新政権には参加しないことを確認した(中略)。
ハマースの勝利はイスラエルに衝撃を引き起こした。イスラエルのオルメルト首相代理は昨夜緊急会議を招集し、治安機関、モファズ国防相、リヴニ外相兼法相にハマース勝利の選挙結果を検討するよう求めた。
イスラエル首相府筋の匿名の情報によれば、ハマース勝利に関する発言を控えるよう閣僚に指示が出されたという。
一方、カディマ党のシモン・ペレス副代表は、ハマースの政権運営能力に疑問を呈した。彼は「ハマースは政権を掌握できないだろうし、国際的な支援がなければ給与を支払う事もできない」と述べ、(ハマースが政権につけば)支援は停止されるだろうと予想した。
ワシントンではジョージ・ブッシュ米大統領が、イスラエルの破壊を目標とし軍事部門を持つハマースとは協力しないと発表し、「米政府はイスラエルとの和平を支持し、暴力を放棄しない限り、ハマースとは接触しない」と述べた。
またブッシュ大統領はホワイトハウスでの記者会見の冒頭で、「パレスチナの選挙結果はパレスチナ人たちが現状に満足していない事を明白にした」と語った。また米政府はアッバース大統領を支援すると確認した上で、アッバース大統領にその地位に留まるよう求めたとも付け加えた。またブッシュ大統領は「選挙は民主的に行われた」として、選挙プロセスを賞賛した。
時を同じくしてアメリカのライス国務長官は、ハマースがイスラエルの生存権承認を拒否するかぎり和平はありえないと強調し、パレスチナの選挙はクリーンだったと認めつつも、ハマースをテロ組織と認定しているアメリカの姿勢に変化はないと語った。
またライス長官は、国際社会の支持を受けつつパレスチナを統治しようと望むいかなる勢力も、イスラエルの生存権を認め、2国家共存の原則に立った解決を遵守しなければならない、と付け加えた。
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( 翻訳者:高松拓 )
( 記事ID:1859 )