ムバーラク大統領がドイツを訪問(アル・アハラーム紙)
2006年03月11日付 Al-Ahram 紙
■ ムバーラク大統領のベルリン訪問、ドイツ大統領との良好で建設的な話し合いによって幕開け
■ 今日、ムバーラク・メルケルの首脳会談、パレスチナ、イラク、ダルフール、イランにおける最新の問題について議論
■ ムバーラク・ケーラー会談の後、アウワード大使:「ムバーラク大統領は、イスラームへの中傷が繰り返されないことを保証すべく、必要な手段をとるべきだと強調」
■ 共同合意より大きな意義を持つ、エジプト・EU間事業計画への到達は可能
■ 対話こそ、イランとの望ましい問題解決へ至る唯一の手段
■ ドイツは政治・経済・社会改革におけるエジプトの試みを評価
2006年03月11日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ベルリン-ウサーマ・サラーヤー】
ホスニー・ムバーラク大統領は、昨日のドイツ到着直後、ドイツ大統領官邸のベルビュー宮殿において、ホルスト・ケーラー大統領との重要な政治会談を行った。ドイツ大統領は、会見は良好で建設的なものであったと述べ、「議論の内容は二国間関係と中東地域の最新情勢に集中した」と語った。
大統領府公式報道官スライマーン・アウワード大使は、トップ会談はおよそ一時間にわたり、話題は中東およびアフリカ情勢の総括、バルセロナ・プロセス、アラブ地域で進行中の改革、エジプトとドイツの二国間関係と現在の協力関係に及んだと発表した。(中略)
[アウワード大使が首脳会談後の記者会見で明らかにしたところによれば]ムバーラク大統領は、エジプトはパレスチナ問題を投げ出さず、和平実現のため、パレスチナ・イスラエル双方とともに努力し続けると強調した。また大統領は、パレスチナのアッバース大統領が近くカイロを訪れる予定であることを明らかにした。
さらにムバーラク大統領はイラン問題に話題を移し、対話こそが危機を政治的に解決するに至る唯一の手段であると強調、武力行使を検討することは事態の複雑化を招き、中東全域と世界の平和および安定に対して否定的な影響をもたらすだろうと述べた。また大統領はダルフール情勢と、スーダンにおける包括的和平実現の努力、平和維持活動のアフリカ連合から国連への移譲に関し現在行われている議論にも言及した。(中略)
一方ドイツ大統領は、ヨーロッパの新たな近隣政策や、エジプト・ヨーロッパ共同合意以上の達成が見込まれるエジプト・EU間事業計画に到達するため現在行われている交渉について指摘した。
またドイツ大統領は、ムバーラク大統領との会談を通して、預言者(神の祝福があらんことを)の風刺画危機について述べ、穏健なイスラームを代表するムバーラク大統領とエジプトおよびアズハルがこの危機の収拾に果たす役割をドイツは信頼すると指摘した。
これに対しムバーラク大統領は、この危機が繰り返されないことを保証する手段をとることが必要だと強調した。
またアラブ世界における改革と近代化に関してドイツ大統領は、エジプトの試みと、エジプトが実現した政治・社会・経済改革に対する感嘆の意を表した。ドイツ大統領は、来る10月のエジプト訪問の場で、こうしたエジプトの試みを間近に目にすることを楽しみにしていると指摘した。(後略)
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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:2076 )