トルコ中央銀行次期総裁選び、マスコミの下馬評外れて経済への影響は(Radikal紙)
2006年03月22日付 Radikal 紙

中央銀行総裁の任命をめぐって引き起こされた混乱は、市場に緊張を走らせた。任期満了のスュレイヤ・セルデンゲチティ総裁に代わり総裁代理に就任したエルデム・バシュチュが政府から正式の総裁に任命されるのではないかという推測は、大統領府からの声明により否定された。しかし、今度は「エルデム・バシュチュでなかったら誰が総裁になるのか?」という問いがあらたに生じた。

証券取引所で午前の取引が行われている最中に出された大統領府の声明は、株式の売りを加速させ、インデックス(株価指数)を一時前日より800ポイント低い4万3628前後に推移させる原因となった。午後には米ドルは1ドル=1.3475リラを、2007年9月5日期限の国債の利率は14%を割り込んだ。

「新たな憲法の危機が到来か?」という懸念を生み出した声明の影響で急速に落ち込んだインデックスは、エルドアン首相の「総裁に任命される人物に関する布告(の承認権)は大統領府にある」という発表により落ち着いた。エルドアン首相の発表は肯定的に受け止められたが、「(総裁になるのは)誰なのか?」という問いには依然答えがなかったため、株価は終値では前日より26ポイント下げて4万4399前後の水準となった。外国人投資家から大量の買い注文の入ったドルは1ドル=1.3420リラ、2007年9月5日期限の国債は13.93%で取引を終えた

■米が公定歩合引き上げを示唆
昨日の株安・為替安を招いた2つ目の重要な出来事は、アメリカからもたらされた。アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が、近い将来公定歩合を引き上げる可能性を再度示唆したことは、トルコを含む新興市場に悪影響を与え、株価を下落させた。

昨日の財務省による2006年6月14日期限の国債の買い戻し入札は、予想通りの結果となった。財務省は総額8億570万リラの買い戻した。「ドルに対する間接的な介入」と言われた入札で、為替相場の指標となる国債について約10億リラ程度を上限に買い戻ることがすでに発表されていた。入札では18億3590万リラ分のオファーがあり、その37%に当たる、名目価値6億7760万リラ分の国債が買い戻された。入札の結果、「銀行側から見れば非常に儲かる」こととなった。

■FRB:短期金利は上昇するかもしれない
ベン・バーナンキFRB議長は昨日行った会見で、長期金利が低くとどまっていることの理由を挙げることは困難であり、「長期国債の利率が低い状態が解消されれば、短期金利が上昇するかもしれない」と述べるに留まった。
バーナンキ議長のこの声明後、国際市場ではドルが高騰した。昨日一日でユーロはドルに対し1ユーロ=1.2112ドルにまで後退した。FRBは3月27-28日にバーナンキ議長のもとで初の会議を開く。会議では、公定歩合を4分の1ポイント引き上げることが見込まれている。

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( 翻訳者:塚田 真裕 )
( 記事ID:2102 )