エジプトの鳥インフルエンザ対策(アル・アハラーム紙)
2006年03月02日付 Al-Ahram 紙
■ナズィーフ首相:「店頭での生きた鶏の売買および屋上での家禽飼育を禁止する決定は取り下げない」
■県知事評議会の会合で重大決定:小規模養鶏場を救済する新ローン、借金返済の4ヶ月停止、社会基金ローンの返済計画8か月分を見直し
2006年03月02日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
アフマド・ナズィーフ首相は、公衆衛生の維持こそが鳥インフィルエンザ撲滅に向けた政府の最優先課題であると強調し、政府が行っている一連の措置は国際機関の推奨と、この問題を解決するために組織された最高委員会の決定によるものであると指摘した。またこの病気の発生源から半径1km以内にいる鳥を処分するという決定は、WHOの定める最低基準であることを明らかにした。
また首相は、公衆衛生の維持のためには店舗での生きた鶏の売買禁止決定を取り下げる考えは無いことを強調した。同時にこれらの店舗が屠肉や冷蔵・冷凍肉の小売や卸に転業する許可を与え、転業のために必要なローンを提供する。さらに都市の屋上で鳥を飼うことの禁止についても譲歩の余地は無く、この問題について断固たる措置を取るとも強調した。
この決定は昨日、ナズィーフ首相が議長を務める県知事評議会で出されたものであり、内閣の公式スポークスマンであるマグディー・ラーディー氏は昨日、評議会ではエジプトにおける養鶏業の将来や飼育法の発展、養鶏場設立の認可条件、また環境的・衛生的に条件を満たしている養鶏場に認可を与えなおす点などに論議が集中したことを明らかにした。
またラーディー氏は「鳩については発病しないが、病を媒介する。そのため町にある全ての鳩舎は取り除くか、感染している鳥と接触しないことを確認しなければならない」と述べた。一方、小規模養鶏場に関しては、ナズィーフ首相が社会基金に対し、審査の簡単な新ローンの充実や、4ヶ月間の利子や月賦の返済停止、返済計画の見直しや8ヶ月の延長などを指示した。
またナズィーフ首相は認可を受けた全店舗・販売所の把握、冷蔵・冷凍肉販売への転業支援、費用や手数料の免除による本人の希望に応じた転業の促進、転業に当たり必要となる冷蔵庫購入のためのローンの提供などを要請した。
県知事評議会では鳥インフィルエンザへの対策、都市におけるスラムの問題とその改善策が協議された。また閣議には財務大臣、内務大臣、計画大臣、地域開発大臣、環境大臣、投資大臣、住宅大臣、厚生大臣、農業大臣が参加し、人への感染は起きていないこと、人への感染を防ぐ努力を払うべきこと、各県と効果的に協力しながら家禽を買い上げるという農業大臣の決定を実行することなどを確認する報告が出された。
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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:2022 )