エルバカン元首相の「紛失1兆リラ裁判」、再審議へ(Milliyet紙)
2006年04月10日付 Milliyet 紙

最高裁判所は、解党された福祉党(RP)に対する1997年の政党助成金である100万(新)リラを返還せずに使ったように見せかけた容疑について開かれた「紛失1兆リラ裁判」で、公文書偽造の罪で懲役2年4カ月を求刑されたネジメッティン・エルバカン元首相の刑の執行延期に向けた要求を、新トルコ刑法に則した判断により棄却した地方裁判所の決定を無効とした。

これにより刑の執行が停止されたエルバカン元首相は、地方裁判所で再度裁かれることになる。この決定は、舞台裏ではエルバカンが刑罰を自宅で受けることができるようにするための法案を提出した公正発展党に対する最高裁からの“思いがけない贈り物”だと受け止められた。

アンカラ第9重罪裁判所は、エルバカン元首相の刑罰の新トルコ刑法に即した判断を促すと、刑の執行延期に向けて行われた申し立てを棄却していた。エルバカンの弁護団は決定を不服として上級審であるアンカラ第10重罪裁判所に控訴したが、ここでも棄却された。

エルバカン元首相側は上告。上告内容を審議した最高裁第11刑罰局は、新トルコ刑法に則した判断によりエルバカンの刑の執行は延期されないとする地方裁判所の決定を4月3日に無効とした。最高裁は決定の中でエルバカンの状態を新刑法の規定に基づいて再度調査する必要性を述べる一方で、地方裁判所がエルバカンの申し立てに対し審理なし判断を下したことにも言及した。無効の決定によりエルバカンは、アンカラ第9重罪裁判所で審理を通じ再度裁かれる。

■刑の執行は停止
エルバカン元首相の弁護団は最高裁の無効決定を依頼人の刑の執行延期を5回目に申し立てたエドレミット検察局にも伝えた。同検察局は、最高裁の無効決定に従ってエルバカンの刑の執行を停止させるための文書を作成し、審理を行うことになるアンカラ第9重罪裁判所に送ったことが伝えられた。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:2177 )