ブッシュ大統領、演説でイラク戦争決定の正当性を主張 イランを非難(アル・ナハール紙)
2006年03月14日付 Al-Nahar 紙
■ ブッシュ大統領:イラク国内の爆弾製造に責任があるとしてイランを非難
■ タラバーニー大統領:イラクの内乱化を警告
【ワシントン:ヒシャーム・ムルヒム】
【その他各国首都の諸通信社】
2006年03月14日アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
アメリカ合衆国のブッシュ大統領はイラク侵攻三周年を間近に控えて昨日、新たな大衆動員のキャンペーンを開始し、アメリカ国民に対して「たしかに、緊張と暴力と混乱と破壊は今現在収拾の見込みは少なく、イラクを内乱に陥れようとする企てもある。しかしテロリストやサッダーム主義者たちは、アメリカの平静を失わせることにも、勝利の実現とイラクにおける民主主義の普及という目的から目を逸らさせることにも、決して成功することはないだろう」と説いた。また、イラク国内で使用され多くのアメリカ軍兵士の犠牲をもたらした爆弾がイラン製のものであるとして同国を非難した。
一方、イラクのジャラール・タラバーニー大統領は国内の政治家に対し、内戦突入を回避できるように新政府の発足を急ぐよう強く警告した。また英国は、今後数週間の間に、イラク国内に展開していた英国軍兵士のうち10分の1にあたる800名を撤退させる意向であることを発表した。
■ ブッシュ大統領
ブッシュ大統領がイラク戦争決定の正当性を弁護するために行う一連の演説の最初のものとして、ジョージタウン大学において「民主主義擁護協会」の呼びかけで演説が行われた。大統領はイラク国民に対して、挙国一致政府を樹立して偏狭な宗派主義を捨てるよう強く求めた。そして、サーマッラーでのシーア派聖者廟爆破事件の後、イラク国民が「奈落を見つめ、そこで目にしたものが気に入らず」犯人達の狙いが彼らを内戦に引きずり込むことであると理解したことに安堵感を示した。
また、ジョン・ネグロポンテ国家情報局長官の報告に基づき、「国際同盟軍に対する攻撃の増加と、イラクにおけるシーア派民兵の爆弾製造能力の向上」の責任の一部はイラン政府にあると付け加えた。そして、そのような活動は「イランのテロ支援や核兵器開発の企てとあいまって同国の孤立を深めることになる」と述べ、「アメリカはそのような脅威に立ち向かうため世界への働きかけをつづける」と述べた。
またブッシュ大統領は、イラクの現状は「未だに緊張状態にあり、宗派主義的暴力の行使が見られる。しかしそのような危機の中にも、希望ある未来への兆しを見出すことができた」と述べた。さらに、シーア派大アーヤトッラー(最高宗教指導者)であるアリー・シスターニー師などシーア派・スンナ派両派の指導者が会談を行っていることを称賛し、敵対者たちを喜ばせるような行為の危険性について警告した。
そして、イラク国民はこの数週間の内に、彼らが求めているのは暴力や内戦ではなく自由と平和であることを世界に対してはっきりと示したこと、また彼らがサーマッラーの爆発事件の後多くのことを学び、平和な未来への唯一の道は一致団結以外にはないことを知ったのだということを強調した。
(後略)
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( 翻訳者:松山洋平 )
( 記事ID:2187 )