養殖場のいけすで埋まるギュルルクの入り江―観光業に打撃(Milliyet紙)
2006年04月16日付 Milliyet 紙
観光やマリンスポーツのメッカであるギュルルクの貴重な島々や入り江が、養殖場のいけすで埋め尽くされている。観光客は逃げ出し、海の魚の種類も減っている。
養殖いけすは、ムーラ県とアイドゥン県の境にあるマンダルヤ湾と同様に、水族館のように美しい入り江として知られているギュルルク湾にとっても悪夢となった。観光業者から商工業者、別荘経営者から地元の住民まで、社会の幅広い層の人々がこの状況に反発している。ミラス郡ギュルルク町のメフメト・ヤヴズ・デミル町長(公正発展党)も、観光業と養殖業が同じ地域で共存できないことは明らかだと述べ、解決を望んだ。
歴史、文化、自然、日光、海、トレッキング、ウォーキング、狩猟、洞窟、マリンスポーツ、ヨット観光のメッカの1つであるギュルルクの島々や入り江は、農業・村落省および住宅・公共事業省によって2000年に水産物生産振興地域に指定された。
これを受けて、トルバ入江とクユクシュラジュクの間の地域では124基のいけすが設置された。養殖の開始により、特にトルバ入江の向かいにあるサリ島、イキズ諸島、ギュヴェルジンリッキ村、ボアズィチ村、ギュルルク町、クユクシュラジュック村(イアソス)、カズックル入江では生活が事実上立ち行かなくなった。ミラス・ボドルム空港の建設と、大論争の末の輸出用桟橋の町外への移転、そして建設予定のマリーナによりギュルルクには少なくとも40年分の計画があることを明らかにしたデミル町長は以下のように話した。
■観光業者に不安広がる
「文化省はこの6年間で周辺住民や観光業への投資家に被害を与え、町の将来を脅かしはじめた。3億ドルにも上る観光投資を続ける中、投資家はやきもきした気持ちでいる。彼らは『観光施設を立てたのに、観光客にどこで泳いでもらったり、どの入り江に連れて行けばいいんだ』と言っている。もっとも美しい入り江や島は魚のいけすで埋め尽くされてしまった」。
30近い5つ星ホテルや休暇村、130以上のペンションや滞在型ホテル、およそ3万の別荘が立ち並ぶ入り江では、いけすでの養殖による海洋汚染で観光客が減少し始めている。1日観光ツアーを行うボートの数も80から15に減った。観光投資家たちは不安を隠しきれない。
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( 翻訳者:湯澤 芙美 )
( 記事ID:2217 )