テロ対策法の改正案:テロ活動参加の子どもの両親、処罰へ(Radikal紙)
2006年04月18日付 Radikal 紙

テロ対策法の改正案は、議会への提出段階に入った。子どもをテロ活動に送り出した両親は懲役刑に処される。デモ中にテロ組織のポスターを掲げた者に最高で15年の懲役が科せられる。

民主化の歩みに逆行するとの反対意見により数多くの議論が展開されたテロ対策法の改正案。改正案により、子どもの暴力活動への参加を助長する親に対し初めて投獄の処罰を下すことができるようになる。テロ組織のポスターを持つ者、スローガンを叫ぶ者、そして顔を覆い隠す者にも15年以内の懲役刑を科すことが可能になる。テロの資金提供者に対しては5年の懲役刑が用意される。テロの定義に変更は加えられなかった。
改正案は昨日、閣議で最終案がまとめられた。法務大臣で政府報道官のジェミル・チチェキは、法案が国会への提出段階に入ったと述べた。法案全てを記者達に配布する代わりに、いくつかの質問に答えたチチェキは、要約すると以下の事を述べた。

■「テロ」定義に変更なし
新定義なし:以前に欧州議会の決議に従って変更が予告されていた‘テロの定義’は、結局そのままの形で残った。チチェキは「元々EUのテロの定義に全員が同意しているわけではない。わが国の定義で十分だ」と述べた。
市民社会組織:テロ対策法の「テロ組織がビラを印刷したり声明を放送すること」に関する6条2項は、市民社会組織(協会、財団、政党、労働組合、職業団体)にも適用されるようになる。違法行為がこれらの組織に属する建物や会合で、また学校や寮において行われた場合、トルコ刑法で規定された罰則の2倍が適用される。テロ犯罪が法人の活動の枠内で行われた場合には、トルコ刑法60条(権限の取り消し・はく奪)が適用される。

■‘プロパガンダ’罪
非常事態令なき非常事態:故意に森の木々を焼くこと、密輸、非常事態令発動の要件となる罪(憲法120条に定められている。ディヤルバクルで起こった様な大規模な集団的暴動デモ)、歴史的価値のある作品の密輸は、「テロ目的で行われた犯罪」の範ちゅうに含められる。このような形で、これらの犯罪に対する罰則は50%引き上げられる。
出版・放送に4年半の懲役:テロ組織のプロパガンダ活動を行った者には1年から3年、これを出版や放送という手段で行った者には1年半から4年半の懲役刑が科される。

■顔を隠す者へは:15年の懲役
マスク、旗、スローガンの罰則:テロ組織のメンバーまたは支援者であることを明確にする形で、組織を象徴する目印を携帯すること、制服を想起させる服を着ること、集会やデモ行進の最中に身元を隠す目的で顔の全部または一部を覆い隠すこと、組織の目的を知らせるポスターやプラカード、標語、絵を掲げること、スローガンを叫ぶ、または拡声器を使用すること―これらの行為を行った場合、トルコ刑法の「武装組織」という項目の314条が適用され得る(罰則は10年以下の懲役、首謀者には15年以下の懲役)。
資金提供者には5年:故意にまたは自ら進んでテロ組織に物質的援助を行った者には1年から5年の懲役刑、または150日から1500日分の罰金刑。
保護者へ罰則:子どもが行ったテロ犯罪への参加を、知りながらまたは望んで認めた者に対して懲役が科せられる。
治安警察に対する規定:治安警察に関する法の適用は警察任務法で規定される。

■テロ対策法でテロが撲滅するわけではない
チチェキは、「テロ対策法は‘一般市民’を対象としておらず、不安を抱かせてはならない。我々は一方では自由を守り、一方では公の秩序を作り出そうとしている状況にある。テロ対策法がテロを完全に撲滅するという期待は間違っている」と話した。

関連記事:
2005-09-07  法相、テロ対策法改正案を首相に極秘提出:スローガンも処罰の対象に(Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/newsdata/News2005912_818.html

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( 翻訳者:新井 仁美 )
( 記事ID:2228 )