セゼル大統領は4月7日、アリ・ババジャン国務大臣により提出されたドゥルムシュ・ユルマズ氏の中央銀行総裁任命の決定を承認した。ユルマズ氏は承認後すぐに行った記者会見で、政府の「雇用と経済成長政策の支えとなる」と述べた。
知られているように、政府はセルデンゲチティ前総裁を公定歩合を迅速に引き下げなかったことや、このことが経済成長や投資を妨げとなったことで批判していた。
■政府に近い人物
セゼル大統領が、アブドゥッラー・ギュル副首相兼外務大臣の大学院時代の級友であるユルマズ氏の任命を承認する一方、同氏が1980年から中央銀行で勤務してきたことをその判断の根拠としたことが明らかにされた。
ユルマズ氏はセルデンゲチティ前総裁と同じく1980年に中央銀行に入り、対外債務調整局でキャリアをスタートさせた。外国為替、金融市場、支払、為替危機管理局に勤務。1995年に部長、1996年に副局長となった。2002年には労働者送金局長に昇進した。
公正発展党政権発足後の2003年5月1日に中央銀行銀行議会の委員に選ばれた。金融政策委員会で銀行議会代表として委員を務めた。銀行議会での職務の任期が満了したユルマズ氏は、先週行われた中央銀行総会で“国庫代表”として再任された。
中央銀行では今後、ユルマズ氏の総裁就任で空席となる銀行議会委員を選ぶ選挙が行われる。ユルマズ氏は自身が委員を務めていた金融政策委員会の会長となるため、銀行議会から後任の委員が送り込まれる予定。ユルマズ氏の最初の仕事は、いまだに代理職のままの状態にある副総裁の任命のため、ババジャン国務相へ適任者を推薦することである。
■「最後に分かった」
ユルマズ氏は、総裁代理職を務め、総裁職の候補者の中で最後まで名前の挙がっていたエルデム・バシュチュ氏と昨日昼頃に記者会見に臨んだ。バシュチュ氏から紹介され上気した様子のユルマズ氏は、中央銀行の政策に変更はないと述べた後、次のように語った。
「中央銀行は独立した機関である。発表されているインフレ目標を達成しつつ、政府の経済成長と雇用政策を支えていく」。
■妻はイスラム風スカーフを着用、ギュルの友人
・ドゥルムシュ・ユルマズ氏は1946年ウシャク出身。高校を奨学生として学んだユルマズ氏は、ロンドンのシティ・ユニバーシティに進み、経済学を修めた。ロンドン大学UCLで修士号を取得。
・ギュル副首相兼外相とロンドンでの学生時代からの友人。
・26年間中央銀行に勤務。様々な役職を歴任。
・前任のセルデンゲチティ氏が金融市場局長時代、副局長を務めた。
・公正発展党政権発足後、銀行議会委員に選ばれた。
・妻はイスラーム風スカーフを着用しており、「篤信家」として知られる。
・3児の父である。
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( 翻訳者:塚田 真裕 )
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