テロ対策法の改正案で、表現の自由に制限(Radikal紙)
2006年04月19日付 Radikal 紙
テロ対策法の改正で、旧8条の悪夢が再来する。報道関係者の投獄が復活し、検察官は出版を差し止めることができる。治安部隊の武器使用の権限が増強される。
テロ対策法改正案は、表現と報道の自由を制限し、罰則を強化している。改正案により、多くの行為が初めてテロ犯罪の範ちゅうに組み入れられる。18カ条から成る改正案のうち、大部分の規定は政府の「自由と安全のバランスに留意する」という約束の実効性が問われかねない内容だ。改正案がもたらす新たな規定は以下の通り。
■報道機関を標的
法改正で最も影響を受ける分野の一つが表現と報道の自由である。テロ対策法6条「意見の表明と放送・出版」でいったん廃止されていた懲役刑が復活する。これによると、テロ対策担当者の身分を暴露したり、そのターゲットを教えたり、組織の広報をした者に対し1年以上3年以下の懲役刑を科すことができるようになる。この犯罪が出版や放送を通じて行われた場合、出版・放送機関の所有者には1000日分以上10000日分(100万リラ)以下の法定罰則金(罰金)が科される。また責任者に対して科される罰金の上限は5000日分(50万リラ)以下となる。現行法では単に罰金だけであった。
■新聞の発行停止
改正案は戒厳令や非常事態宣言下の時代から残る新聞の発行停止も復活させる。新しい施行によると、内容にテロ組織のプロパガンダを含む定期刊行物は判事の決定により、また緊急を要する場合には検事の命令で暫定措置として、15日以上1カ月以下の期間発行を停止させられる。
■指導者に15年、メンバーに10年
トルコ刑法314条に従って、テロ組織の創設者や指導者には10~15年、メンバーには5~10年の懲役刑が科される。新しい規定により、「組織活動の調整役」も組織の指導者同様に罰せられる。
■8条再び
EU適合プロセスにおける最も重要な変更点の一つは、「分離主義プロパガンダ」に関する、しかしほとんど知識人に適用されていた8条の廃止であった。改正案にはこの条項を想起させる新しい規定も含まれていた。法案が施行されれば、「テロ組織あるいはテロ組織の目的に関するプロパガンダ活動を行った者」には、1年以上3年以下の懲役刑が科される。この犯罪が出版や放送を通じて行われた場合、科される刑罰は50%重くなり、1本の新聞記事でさえ最高4年半の懲役刑が科されることになる。この罪により、出版・放送機関の所有者には1000日分以上10000日分以下、責任者にも5000日分以下の法定罰則金が科される。
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( 翻訳者:新井 慧 )
( 記事ID:2231 )