EUに比べ低いトルコの小麦生産性 手厚く保護されるEUの農家(Radikal紙)
2006年04月18日付 Radikal 紙
農産物公社(TMO ※1)によると、トルコの小麦生産者が受ける1トンあたりの援助は、EUの農家が受ける援助よりも多い。しかし、EUにおける小麦生産高は高く、EUの小麦生産者はトルコの小麦生産者よりも高い収入を得ている。農産物公社がまとめた「2005年穀類レポート」では、EUとトルコの小麦生産者の収入が比較されている。この比較によると、トルコでの平均の作付面積は61デカール[61,000㎡]で、1デカール[1,000㎡]あたりの生産量は250キログラム、1回の作付けあたりの生産量は15トン250キログラムである。EUでは、平均の作付面積は174デカール、1デカールあたりの生産量は600キログラム、1回の作付けあたりの生産量は104トン400キログラムである。
レポートによると、EUにおいて仲買組織が買い取る価格は[1トンあたり]101.31ユーロである。すなわち、EUの農家は、自由市場で農産物を売ることができなかった場合、仲買組織に持ち込んで101.31ユーロで売却することができるのだ。そのような農家が生産した小麦は、FEOGA(Le Fonds Europeen d'Orientation et de Garantie Agricole=欧州農業指導保証基金 ※2)から、さらに1トンあたり、63ユーロの支援を受けられる。結果として、EUの小麦生産者は、1トンあたりで164.31ユーロを手にすることができる。
※1農産物公社(TMO=Toprak Mahsulleri Ofisi):
1938年、農業銀行が扱っていた小麦事業部門が独立して設立された。農産物の農家からの買い取りと備蓄、農産物備蓄による農産物価格の安定、公定価格での小麦の買い取り、農産物の保管に関わる倉庫事業、医療向けの麻薬、麻酔剤の生産と管理、などを業務とする。
http://www.tmo.gov.tr/より
※2 FEOGA(Le Fonds Europeen d'Orientation et de Garantie Agricole=欧州農業指導保証基金):
EUの共通農業政策(CAP)を実施するための基金。
http://europa.eu.int/comm/agriculture/fin/index_en.htmより
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( 翻訳者:高田利彦 )
( 記事ID:2235 )