レバノンのイスラーム指導者「日食や月食は世界の事件とは関係ない」(アル・ナハール紙)
2006年03月30日付 Al-Nahar 紙

■ 21世紀4回目の日食に世界中が熱狂
■ 夜の影が日中に現われるすばらしい天体のショー

2006年03月30日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

(前略)

■ 日食の礼拝がレバノン中のモスクで行われる
■ カッバーニー師「日食も月食も世界で起こる事件とは関係ない」

 昨日午後一時から、レバノンの各モスクではイスラーム寄進財局の呼びかけを受けて日食の礼拝が行われた。

 ファトワー局は「一般に言われているように日食や月食が世界で起きる諸事件と関係しているなどという事はない」という声明を発表した。この2つの現象は「神の奇跡であり、宇宙の秩序とその法則における神の創造の偉大さと緻密さを示すものである。そこには洞察の力を持つ信徒であれば学びうる教訓がある。日食と月食は人間に神を思い出させ、神に服従すれば全ての物事においてよきことが実現されるということを思い起させる。神は彼らすべてを創造し給うた御方であり、彼らについてすべてを知り給い、この下界において何が彼らのためになることかを知り給う御方である」と述べた。

 また、ファトワー局声明は預言者ムハンマドの言行伝承録を引用し、「太陽と月が食に入るのは、誰かの死や生をもたらすためではない。しかしそれは神の奇跡であり、それによって神はそのしもべたちを怖がらせる。それを見たならば神に祈るがよい。汝らの内にあるものを明らかにするために」と述べた。

 シーア派イスラーム最高評議会では、アブドゥルアミール・カバラーン師が評議会本部で神の奇跡の礼拝を行い、その後の説教で「日食と月食は偉大にして全能の神による奇跡であり、誰かの死を警告しているのでも、その死の影響によって起こるのでもない。それは神の御意思によって起こる宇宙の出来事であり、私たちを瞑想と待望のうちに過ごさせるものである。私たちは服従し、至高なる神へと向かい、神と結ばれ、神への懺悔の誓いを新たにし、偉大にして至高なる神の命令をひたすら守り、神の禁ずることから離れなければならない」と述べた。

 さらにカバラーン師は、「この宇宙的な変化は私たちに自らの行いを省みるようにと警告しているのである。なぜなら物事はその状態を保つことはなく変わっていくからである。このような大きな変化を前にして私たちは、偉大にして至高なる神に服従するべく自身を省みるべきである。そうすることで人間や社会に災いとなって降りかかり人間に害を及ぼす苦難や罪悪から救われるのである」と述べた。

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( 翻訳者:吉永晶子 )
( 記事ID:2241 )