シェムディンリ事件の起訴状作成したサルカヤ検察官、罷免へ(Milliyet紙)
2006年04月21日付 Milliyet 紙
裁判・検察官高等委員会は、サルカヤ検察官の罷免を決定した。同検察官は弁護士職につくことも不可能となった。
裁判・検察官高等委員会はシェムディンリ事件の起訴状を作成し、法務省から警告処分を受けたヴァン県のフェルハット・サルカヤ検察官に対して「職務の名誉と誇り、公務員の影響力、尊厳を壊す行為を行った」として同検察官の罷免を決定した。決定が確定するまでの間については同委員会によって停職処分が施されることが決定した。同委員会はまた、参謀本部の尋問対象拡大の要求を受け入れる形で、法務省の反対にも関わらずヴァン県検事長ケマル・カチャン氏と検事長代理イブラヒム・オゼル氏についても尋問の開始を決めた。
一方法務省は、シェムディンリ事件の起訴状にて陸軍司令官ヤシャル・ビュユクアヌト大将ら将校をも厳しい表現で告発したサルカヤ検察官について、同委員会メンバーらの要求そして参謀本部の告発に基づき尋問を開始した。
■ 職権を超えた
裁判・検察官高等委員会に提出された尋問報告書には、「サルカヤ検察官は、国家組織やビュユクアヌト大将、軍権力者らが罪に問われる可能性、さらに関係証人の発言が悪意を抱く人間によってあたかも正当な主張のように使われる可能性を念頭に置かずに行動した」と記述された。報告書ではさらに、「サルカヤ検察官が保安隊司令部に送った、保安隊の証言者らはテロ組織に関わっており、その事実によって国家が不利益を被る可能性がある」といった文書も(検察官としての)職権を超えたと記載された。
報告書には、「法律上の権限が侵害された」と主張しているわけではない参謀本部が、尋問をカチャン氏とオゼリ氏にも行うことを要求したことに対し、「必要ない」と記された。報告書にはカチャン氏がサルカヤ検察官を「最高の検察官だ」と述べたことも記された。
■ 罷免一人、尋問二人
報告書ではサルカヤ検察官に対して‘警告’処分が適当、としている。その一方で、昨日裁判・検察官高等委員会は6対1の投票結果によって、サルカヤ検察官の罷免、決定が確定するまでは同検察官へ停職処分を施すことを決定した。
■ 通常方法に反する手続き
サルカヤ検察官に「最も重い」懲戒処分が出されたことについては、報告書による告発の他、委員会で議論された以下の見解が影響したことが判明した。
・ ビュユクアヌト大将や他の将校に対する尋問手続きが、通常とは異なる方法で行われた。
・ トルコ大国民議会査問委員会より発言文書を特に求められたメフメト・アリ・アルトゥンダーを始め、シェムディンリ事件に直接関係のない人たちの発言が起訴状に載せられた。
・ 起訴状に、本題と無関係で、身分の分からない人々の言葉が反映された。
・ 事件に関係なく、主観的な評価が行われた。
・ 起訴状がメディアに漏洩した。
決定に対しサルカヤ検察官が上訴した場合、12名で構成された高等組織が検討を行う。裁判・検察官高等委員会の決定に反論する法的手段の道は閉ざされているため、高等組織が出す判決が最終決定となる。また、上訴しても結果が変わらなければ、サルカヤ検察官は職務及び被雇用者としての権利を失し、弁護士職にもつけなくなる。
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( 翻訳者:永井 ひとみ )
( 記事ID:2244 )