イラン問題か、PKK問題か―来週のライス国務長官の訪土に向けて(Hurriyet紙)
2006年04月23日付 Hurriyet 紙
火曜日にアンカラを訪問する予定のアメリカのライス国務長官にとって、最重要課題はイラン問題である。一方アブドゥッラー・ギュル外相はというと、まずPKK(クルド労働者党)問題を取り上げ、「我々の我慢の限界を超えている。アメリカが対策を講じなければ、あらゆる選択肢を考慮する」と述べる予定だ。
アメリカのコンドリーザ・ライス国務長官が火曜日にアンカラを日帰りで訪れる際、まずイラン問題を協議事項とすることが分かった。アブドゥッラー・ギュル外相はというと、ライス国務長官に対し「テロ組織はすでに政府においてもトルコ世論においても深刻な問題となり始めている。我々の我慢の限界を超えている」というメッセージを伝える予定だ。ライス国務長官との会談の際に両国政府が互いに提示する資料の内容は要約すると以下のようなものである。
■アメリカ側の資料
・イラン:資料の最重要問題。ライス国務長官は(トルコ)政府の態度を知っているため、いかなる基地の(使用)要求も行わない見込み。最も重要なメッセージは、「イラン問題に関してゆるぎない態度をとり、圧力を弱めようとするような企てに隙を与えないように。イランとの間で相互に訪問をしないように」というものになる予定だ。
・PKKとイラク:イラクでの活動がうまくいっていないことは承知している。PKKに関する包括的な情報の共有と、財源を断ち切るための協力関係について懸念する必要はない。より多くの資源を投入する道を模索している。だが、北イラクでの軍事活動は現時点では不可能だ。
・ハマス:私たちの眼前にあるのはテロ組織だ。イスラエルを標的とする声明や行動はその象徴である。テルアビブでの最近の襲撃は、このことを明確にした。ハマスがアンカラを訪問したことには実に驚かされた。だが、トルコが正しいメッセージを伝えたことに満足している。
■トルコ側の資料
・イラン:我々には平和裏に、外交的手段を通じて問題の解決が図られるよう尽力する責任がある。積極的な政治的姿勢で問題に望むことは極めて自然なことだ。イラン政府には、間違った道に進んでいると常々言っている。
・PKKとイラク:テロ組織はすでに政府やトルコ世論にとって深刻な問題であり、我々の我慢の限界を超えている。アメリカが必要な対策を講じないのならば、我々はPKKに対しあらゆる選択肢の行使を考慮していく。私たちの全目的は、イラクの政治的統一、国土の一体性の保持、民主的・平和的な体制の構築であり、この体制がイラク国民や隣国と良好関係を保つことである。
・ハマス:さらなる過激化を防ぐには対話役が必要だ。彼らには間違った方向に向かっていると伝えた。
・キプロス:アメリカがトルコ系キプロス人に対する経済制裁を撤廃するための一歩を踏み出すことを期待している。アメリカが事態を進展させ、EUに対するお手本となってほしい。
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( 翻訳者:井上さやか )
( 記事ID:2268 )