アラブ連盟外相委員会、イラクの政治プロセスの進路を協議(サバーフ・ジャディード紙)
2006年03月26日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■ イラクに関する外相委員会、イラクの治安情勢・政治プロセスの進路を協議
2006年03月26日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面
【ハルツーム-諸通信社】
昨日スーダンの首都ハルツームにおいて、イラクに関する外相委員会の会合が開かれ、政治・治安上の展開とイラク再建のための取り組みや最新状況が協議された。これはアラブ連盟がイラクを政治的に支援するうえでアラブ諸国の戦略を整えるために構成した同委員会の取り組みの一環である。KUNA(クウェート通信社)の報道によれば、この閣僚委員会は、イラク、クウェート、エジプト、ヨルダン、アラブ首長国連邦、バハレーン、アルジェリア、サウディアラビア、スーダン、シリアの各外務大臣、およびアラブ連盟事務局長から構成されている。
観測筋がクウェート通信社(KUNA)に述べたところによれば、イラクのフーシュヤール・ズィーバーリー外相が、イラク情勢の最新情報と、イラクでの組閣や政治プロセス実現の機会について個別報告を行ったのち、政治プロセスを遂行し、6月初めにバグダードで国民融和会議を開催する準備や手続を完了するための、アラブ連盟からイラクの人々に向けた支援の取り組みについて、アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長が包括的な報告を行った。
さらにムーサー事務局長は委員たちに対し、国家再建に取り組むイラクの諸組織への詳細な支援計画を準備すべく、アラブ共同事業を推進する諸組織に対しアラブ連盟として呼びかけを行ったことを報告した。同様に、アラブ諸国がイラクへの取り組みを継続するための措置として、アラブ連盟バグダード特使にモロッコ大使ムフタール・リマーニーを指名し、組閣後できるだけ早い機会に特使事務所を開設する件でイラク政府と協議すると報告した。
同委員会はまた、委員会として立案したイラク情勢の進展に関する決議草案を、アラブサミットの閣僚準備会議に上程した。
アラブ連盟のイラク特使に任命されたムフタール・リマーニー氏は、昨日の記者会見で、自身が作成したバグダードでの活動計画について、3つの中心課題を強調した。
一番目は、6月初めにバグダードで開催されるイラク融和会議の準備としてイラク領内の様々な勢力との面談を行うこと、二番目は、イラク情勢に関わる様々な国の政府、特にアメリカ、イギリス、その他の政府と協力を行うこと、三番目は、現在の危機から脱することを目指したアラブサミットの決議を実行に移すことである。
リマーニー氏はイラクに治安と平和を迅速に取り戻すため、イラク政府の組閣が全ての勢力から求められていると述べ、組閣協議に必要以上の長い時間がかからないようにという希望を表明した。まだ同氏は、これまで近隣諸国は十分な役割を果たしてこなかったが、イラクの安定を実現するうえではその役割を活性化することが重要であると指摘した。
一方、多国籍軍に代わってアラブ・イスラーム軍をイラクに派遣する考えについては、今のところ提起されていないが、もし新たに提起された場合には、協議する可能性があることを確認した。
同氏はバグダードでの任務について、「きわめて複雑」だと自身で認める治安状況のため、困難を予想しつつも、自分の取り組みが状況の改善に役立つことを願うと表明した。
次の外相委員会の会合は、来週水曜日から3日間にわたって行われるアラブ連盟の首脳級会談の外相準備会議の直前に行われる。
イラクのズィーバーリー外相は金曜日にロイター通信に対し、「イラクは内戦には陥っていない。4月中には挙国一致内閣が組閣される可能性が見えてきた。そうなれば暴力的な緊張を高める危険がある政治的空白状態は終わることになる」と語った。
(後略)
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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:2277 )