アラブサミット開幕、ハルツーム宣言採択へ(アル・アハラーム紙)
2006年03月29日付 Al-Ahram 紙

■ ムバーラク大統領、エジプトはスーダンの統一とアラブ国家としてのイラクのアイデンティティ維持を望むと確言、アラブ首脳らに協議を要請
■ ハルツーム宣言、パレスチナ自治政府への支援とシリア・レバノンとの団結を強調

2006年03月29日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 【ハルツーム-本紙特派員】

 昨日スーダンの首都ハルツームでは、アラブ首脳13人が参加した第18回アラブ首脳会議が開催された。ホスニー・ムバーラク大統領は同会議での演説において、アラブの指導者同士が協議するための新たな方式を提案した。その新方式とは、定例会議のほかに、状況に応じて臨時で会談を開催し協議を行うというものである。

 エジプトのアフマド・ナズィーフ首相が大統領代理として行ったこの演説では、アラブ首脳間での迅速な協議を必要とする緊急事態が常に存在すると説明され、新方式では定例の首脳会議に付き物である準備段階や作業テーブルの事前作成や儀礼的手続が必要とされないことが強調された。またムバーラク大統領は、イラクがアラブ国家としてその国民的一体性を維持すること、同様にスーダンの国民的・領土的統一をエジプトが希望していることを強調し、アラブ諸国間の共同事業を活性化することこそ、エジプトの優先課題であり続けると述べた。

 本首脳会議の関係筋によれば、本会議で発表される予定のハルツーム宣言では、アラブ和平イニシアティブの堅持、パレスチナ当局への財政支援の提供、シリア・レバノンとの連帯、レバノンの国民対話会議への支持、さらにはイラク国民との連帯、イラクでのテロ行為への非難などを確認する。また同声明は、スーダンのダルフール地域に関するアブジャでの政治交渉の促進を継続することも求めるという。

 アラブ連盟の某高官は、ダルフールに派遣する国連平和維持軍の編制を要請した国連安保理の最新決議に対してアラブ諸国の足並みが乱れているのでは、との本紙アラブ問題編集記者マスウード・アル=ヘンナーウィーからの質問に答え、アラブ諸国間で立場の相違があることを否定、国連ともアフリカ連合とも衝突することなく、アフリカ連合との協議や折衝を続ける必要があるとのアラブの立場は揺るぎない、と説明した。またこの高官は、スーダンは自国に関わるいかなる国連決議にも同意しなければならないと明言した。

 また首脳会談の関係筋は、アラブ連盟のアムル・ムーサー議長が演説の中で示した、アラブ世界の教育状況を監督するアラブ機関の設立に関する提案に大きな関心が集まっていることを明らかにした。

 スーダンのオマル・アル=バシール大統領は開幕式での演説の中で、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領やリビアのムアンマル・アル=カッザーフィー同志によるダルフールにおけるアフリカ連合平和維持軍への支援努力を讃えた。またバシール大統領は、ハルツーム・サミットでは3つの「ノー(NO)」と3つの「イエス(YES)」が宣言されると述べた。3つの「ノー」とは「パレスチナの民主主義否定にノー」、「イスラエルへの屈服にノー」、「パレスチナ人民への処罰にノー」であり、3つの「イエス」とは「アラブ機関設立にイエス」、「アラブ経済の相互協力にイエス」、「アラブ社会の科学的研究にイエス」であると説明した。


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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:2291 )