アレキサンドリアでの教会襲撃を人民議会が非難(アル・アハラーム紙)
2006年04月17日付 Al-Ahram 紙
■ 人民議会、アレキサンドリアの教会に対する襲撃事件を激しく非難
■ 真相究明委員会を組織、1ヶ月以内に報告書を作成し議会に提出
■ スルール国会議長:コプト教徒は少数派ではなくエジプトの一部であり、彼らへの侵害は受け入れられない
■ 容疑者の留置を45日間延長…悲しむべき事件は1人のムスリムの死と31人の負傷者をもたらした
2006年04月17日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
アレキサンドリアの複数の教会に対して精神障害者が起こした襲撃事件をめぐる論議が、昨日の人民議会を覆いつくした。多数派も少数派も、無所属も野党も、ムスリムもコプト教徒もすべての議員が、アレキサンドリアで起きた過激で盲目的な事件にたいする激しい怒りを表明した。他宗教の尊重を唱える正統イスラームの原則に反するこの事件を、議会は激しく非難した。
議会はすべての国民に対し、手を合わせて国家の一体性を守るよう求めるとともに、犯人の迅速な裁判と厳罰の適用を求めた。
また議会は襲撃事件の真相究明委員会の組織に同意し、委員会は1ヶ月以内に報告書を作成して議会へ提出する。
アフマド・ファトヒー・スルール人民議会議長は、「コプト教徒は少数派でも他者の集団でもなく、エジプトを織り成す組織の一部であり、我々は決して彼らへの侵害も、ムスリムとコプト教徒を引き裂く事件を目論む者も受け入れない」と議会で述べ、コプト教徒はこれまで良い時も悪い時も常にムスリムと共にあったと断言した。さらに議長は「この事件の裏には隠された動機、もしくは外部からの要因があるかもしれず、我々はそれらの前に立ち塞がらねばならない。我々はみな、この国の守護者なのだ」とも述べた。
ムフィード・シハーブ法律問題・司法評議会担当大臣は、起こったことに関して大騒ぎすることも侮ることも無益だ、と述べた。
さらに同大臣は、国家の一体性、安全と安定をもて遊ぶことはゆるされず、捜査機関はかならずや事件の原因とその広がり、事件の背後にいる者や司法の場に引き出されるべき者たちを突き止めるだろうと語った。
この犯罪行為とそれに関連した事件、犯人、事件の影響といったすべての事実は検察による捜査の対象となり、今後検察が発表する真相や原因、動機、あるいは今後取られる措置などについては、明らかにされ次第、政府から国民に公表されるという。
一方、アレキサンドリア裁判所の野党系判事は、先週金曜日の朝、アレキサンドリアで1人の死者と5人のコプト教徒の負傷者をもたらした二つの教会への襲撃事件の容疑者、マフムード・サラーフッディーン・アブドゥッラーズィク容疑者の留置を、捜査のために45日間延長した。容疑者は検察によって殺人、殺人未遂、刃物所持、礼拝所侵入の容疑で起訴された後、精神鑑定のためにマアムーラ精神病院に入院させられた。
東アレキサンドリア検察は、一昨日、事件で亡くなったナスヒー・アターッラーさんの葬儀中に発生したコプト教徒とムスリムの衝突についても捜査を始めた。この残念な出来事によって、建設業のムスタファー・サイイド・マシュアルさん(45歳)が頭部を負傷して死亡、ほかに31人が怪我を負ったが、そのうち4人が警察官だった。また自動車32台と店舗19件が放火・破壊された。
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( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:2293 )