「制裁ならばIAEAとの関係を停止する」:ラーリージャーニー氏 シャルグ紙
2006年04月26日付 Sharq 紙
2006年4月26日付シャルグ紙1面
【政治部:エフサーン・アブタヒー】公益判別評議会戦略研究センターは昨日、ムハンマド・エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)事務局長が、国連安全保障理事会に対しイランの核問題についての報告書を提出するまでの2日間の合間に会議を開いた。その中で、アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記は、「イラン・イスラーム共和国が制裁を受ける場合、イランとIAEAの関係は停止するだろう」と語った。
「イランの核計画、政策と展望」と題した会議には、2人の来賓がいた。ロウハーニー公益判別評議会戦略研究センター所長を同行させていたアクバル・ハーシェミー・ラフサンジャーニー公益判別評議会議長と、アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記である。
(中略)
昨日の会議では、まずラフサンジャーニー公益判別評議会議長が講演を行い、イランの核計画の歴史的推移について触れ、「イランの核問題は当然あるべき流れ、自らが享受すべき権利から逸脱したところで生起し、深みにはまりこんでしまっている。この逸脱は我々や他の多くの人々にとって多大な問題を引き起こしており、もしこの逸脱が今後も続くならば、この問題はあらゆる人々にとって災いの元となろう」と語った。また、核活動は革命後に始まったものではなく、革命以前にさかのぼるものであると強調した上で、「アメリカはイランの革命前、原子力発電所20基をイランに設置しようとしていた」と付言。さらに、革命前に発電所建設が始められていたことを指摘し、「現在我々を訴えている者はみな、かつてイランの核エネルギー獲得に携わっていたのだ」と語った。
(中略)
ラーリージャーニー:制裁の場合は、IAEAとの関係を停止する
おそらく、アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記の昨日の講演で一番肝心な部分は、イランに制裁が発動された場合、イラン政府はIAEAとの協力を停止する、との内容を強調したことだろう。ラーリージャーニー氏はその一方で、核問題がIAEAの理事会に差し戻された場合には、イランは自主的に追加議定書に沿って行動することを約束した。
核問題交渉責任者であるアリー・ラーリージャーニー氏は、イランには油田、ガス田があるにもかかわらず、なぜ核エネルギーが必要なのかとのアメリカ政府の見解に触れ、前体制の時代に西側がイランとの協力をうたった二つの文書を提示し、「当時のイランの油田、ガス田が現在よりも多かったことは、皆が認めるところだ。それなのに、資源が豊富だった30年、35年前には、なぜ今のような異議が唱えられなかったのか?つまり、問題の本質はここにあるのではないのだ。〔イランには原子力が必要でないほど資源が豊富ではないかとの西側の〕このような応答は約束に違反したものであり、西側の行動は問題がこれ以外のところにあることを物語っている」と述べた。
同氏はまた、イランの核計画に対する西側の約束違反に言及した上で、「革命にともない、我々に〔核〕燃料を供給してくれるところはもうなかった。たった1gの濃縮ウラニウムでさえ、我々の元に届かなかった。ウラン精鉱(イエローケーキ)1600トンと六フッ化ウラン60トンもヨーロッパにとどまり、私たちに送られることはなかった。つまり我々は何の保証もないまま、核技術とともに取り残されたのだ」と語った。さらに、西側からの核燃料供給の保証については、国際法上の義務などどこにも存在しないとした上で、「この件については西側の前科を考えれば、不信感を抱くのも当然だ」と述べた。
ラーリージャーニー氏は、イランの核計画が平和目的であることを強調し、「秘密裏にやっているとされている問題はでっちあげられた話であり、この話が正しくないことは、彼ら自身も承知していることだ」と述べた。ヨーロッパ諸国との協議について同氏は、「われわれの信頼醸成への努力の結果、ヨーロッパ側は我々に、『信頼を構築する最善の方法は、濃縮活動をやめることだ』と言ってきた。こうすることで、彼らは現実には問題の本質を無視しているのである」と述べた。
(後略)
現地の新聞はこちらから
( 翻訳者:關岡 敦子 )
( 記事ID:2296 )