エジプト大統領がスーダン大統領と協議、南部地域の分離を防ぐため同地域でのプロジェクト中止を決定(アル・アハラーム紙)
2006年04月05日付 Al-Ahram 紙

■ エジプトのムバーラク大統領とスーダンのバシール大統領がハルツームで協議
■ ダルフール問題はアラブ・アフリカ世界で解決し、国際問題化することは回避すべき
■ スーダン南部地域の分離独立を防ぐため、同地域でエジプトが進めてきたプロジェクトを終了させる問題が焦点に
■ バシール大統領:スーダン国内の部族間抗争を、国際監視団が政治運動に変容させた

2006年04月05日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 アラブ首脳との2者協議を進めるというエジプト主導の計画の一環として、昨日エジプトのホスニー・ムバーラク大統領は2時間という短い時間でのスーダン訪問を行い、スーダンのウマル・アル=バシール大統領とともに、最近ハルツームで開催されたアラブサミットの成果やダルフール問題に加え、エジプト・スーダン両国の関係とその強化を話し合った。ムバーラク大統領は、様々な問題についてエジプトとスーダンの協議を継続すると確認し、ダルフール問題は国際平和維持軍が介入する段階に至る前にアラブ・アフリカ世界で解決すべきであると説明した。

 ハルツーム出立前にムバーラク大統領は、バシール大統領との共同記者会見において、エジプトとスーダンの関係は恒久的で互いに不可欠なものであると強調した。ムバーラク大統領は、アラブサミットに欠席したことについての質問に対して驚きを示し、特別な事情のためアフマド・ナズィーフ首相をエジプト代表団長としてサミットに派遣したと指摘、「自分が出席してもしなくても、とやかく言われるものだ」と述べた。

 またムバーラク大統領は、バシール大統領および近隣の指導者数名を集めた会合が近々開かれることを明らかにした。

 バシール大統領は、ダルフール問題は当初は部族間抗争で、政治運動ではなかったのが、国際監視団の一部の振る舞いがそれを政治的主張を掲げる運動へと変容させたのだ、と述べた。

 またムバーラク大統領は、6年間の移行期間終了後、スーダン南部地域がスーダンからの分離独立を選択することがないよう、同地域でエジプトが行っているプロジェクトを早急に終了させる指示を下した。このプロジェクトには、カイロ大学のハルツーム分校に続いてジュバにもアレクサンドリア大学の分校を開設する計画や、ジュバとワーウにおける発電プロジェクト、教育プロジェクト、ジュバにおける病院建設などが含まれる。
またムバーラク大統領は、エジプトがウガンダあるいはケニヤで実施したと同様、スーダン領内ナイル川の航路浚渫(しゅんせつ)プロジェクトに着手して欲しいとのバシール大統領の要請に答えた。
さらに大統領は、スーダン政府と反政府勢力との和平合意の枠組みにおいて、エジプトがアフリカ連合軍に現在派遣している警察隊および憲兵隊からなる監視要員の数を増やす準備があるとの姿勢を見せた。

 ムバーラク大統領はバシール大統領に対し、スーダン国家の安定とその領土の保全および統一は、エジプト国家とその安全保障にとっても主要な優先課題であることを強調した。



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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:2298 )