ムバーラク大統領:「互いの平等と尊重に立脚した、新たな文明間の対話が必要である」(アル・アハラーム紙)
2006年04月12日付 Al-Ahram 紙
■ ムバーラク大統領、世界の発展に目を開き、現代科学の恩恵を得るよう、ムスリムに要請
■ 大統領:「互いの平等と尊重に立脚した新たな文明間の対話が必要である」
2006年04月12日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
ホスニー・ムバーラク大統領は、イスラームのウンマ[※訳注:共同体]は世界から孤立しているわけにはいかない、また世界中に波及しつつあるかつてない発展を無視することも、目の前の挑戦に対応せず身を引いていることもできない、と述べた。
ムバーラク大統領は昨日の預言者ムハンマド生誕記念式典において、我々は自分たちの神聖なるものを守り、ムスリムとしてのアイデンティティとその特性を保持していく必要があるが、同時に我々を取り巻く世界に目を開き、現代の成果や最新科学を利用していかなければならない、と述べた。大統領は、イスラームのウンマの現在と未来は、変化し続けるこの世界が生み出す成果や挑戦やチャンスと向き合う中で、この微妙なバランスを実現できるかどうかにかかっている、と述べた。
また大統領は、今年の栄えある預言者の生誕記念日が、ムスリムの感情を害し、ムスリムが預言者に認めている高い地位を無視する風刺画が引き起こした激しい怒りが世界に広がった時期に重なったことを指摘、この危機はウンマが現在直面している挑戦と無関係ではなく、我々および世界における我々のパートナーたちは、将来同じことが繰り返されるのを避けるという目標のもとに一丸となるべきだ、と強調した。
また大統領は、世界は文明・文化・宗教間の対話について多くを語ってきたにもかかわらず、国連内外における対話は初めて直面するこの試練にうまく対応できず、イスラーム世界の内外でムスリムの感情を害した一連の事態の収拾に立ち遅れたと強調して、次のように述べた。「高潔なる使徒の生誕記念日に際し、互いの平等と尊重、またあらゆる人類の文明・信条・特質についての認識という明確な基盤に立脚した新しい対話をわれわれが必要としていることを強調したい」。 「現状を正すことが緊急に必要である。我々は開かれた理性と心を持って、西洋におけるイスラームとムスリムのイメージを正さなければならない。同時に西洋の側も、アラブ・イスラーム世界における西洋のイメージを正すために同様の真剣な取り組みを行う必要がある。」 「イスラームとムスリムをテロに結びつけようとする者に我々は言う。あなたがたはとてつもない過ちを犯している。クルアーンとスンナ[※預言者の言行]は14世紀も前に、善と公正と寛容の原則をすでに打ち立てているのだ。」 「イスラームを反動性や後進性と結びつけようとする者に我々は言う。我々は歴史あるイスラーム文明の継承者である。イスラーム文明は人類の遺産を築くのに貢献してきたし、今でも世界の繁栄と安定に貢献し続けている。」
(後略)
現地の新聞はこちらから
( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:2299 )