エジプトはイラクの国民的・領土的一体性の維持を希望(アル・アハラーム紙)
2006年04月13日付 Al-Ahram 紙

■ 「エジプトはイラク人を区別しない、一つの国民であり一つの国家である」
■ 「ムバーラク大統領は全派閥のイラク人に対し再建と平穏と安定を願っている」
■ アウワード報道官:「大統領はイラクのシーア派のイランへの共感について発言しただけだ」
■ 「大統領の発言は他のアラブ諸国に言及したものではない」

2006年04月13日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

エジプトのホスニー・ムバーラク大統領はサウジアラビアのサウード・アル=ファイサル外相とアラブの共同事業の強化方法を協議した。また大統領は両聖地の守護者であるサウジアラビアのアブドゥッラー・ブン・アブドゥルアズィーズ国王からの、アラブの全体的な状況、特にイラクとパレスチナの問題、シリア-レバノン間の情勢を記した書簡を受け取った。

大統領府報道官、スライマーン・アウワード氏は、「ファイサル外相はサウジアラビア国王の書簡をムバーラク大統領に届けた。また外相はハルツームで行われたアラブサミットによって緊急に決定された、イラク情勢の為の特別アラブ委員会に参加するためにカイロを訪れた」と発表した。

さらに同報道官は、エジプトはイラクの統一を希望しており、イラク国民をどのような形でも区別しないと強調した。

イラク問題に関してムバーラク大統領が衛星テレビ局、アル=アラビーヤに語った発言に対するコメントを求められたアウワード報道官は、「イラクに関するアル=アラビーヤへのムバーラク大統領の発言は、それが発せられた文脈の中で理解されるべきだ」と述べ、ムバーラク大統領はイラクの現状について語ったのであって、他のアラブ諸国には言及していない事を強調した。

ムバーラク大統領のイラクのシーア派についての発言に関しても同報道官は、大統領の発言はシーア派イラク国民のイランへの共感を指摘するという文脈で発せられたものであると述べた。イラクにはシーア派の聖廟がありイランは隣国であることから、ムバーラク大統領はイラクのシーア派がイランに共感していると発言したのであって、話の中心と本質から関心を逸らすべきではないと述べた。

アウワード氏は「ムバーラク大統領の発言はイラクの現状への深い憂慮を表現しており、またイラクでの政治プロセスの成功、平穏と安定の回復、スンナ派・シーア派・クルド・トルクメンなど各派間の融和が実現されることへの希望を表現するものだった」と述べた。

アウワード氏はさらにムバーラク大統領がイラク人を全く区別していないと強調し、エジプトとムバーラク大統領にとってイラク人とは一つの国に属する国民であって、アラブ国家としてアラブ世界とその共同事業の中核に再び立ち戻ることを期待するとともに、あらゆる派に属するイラク国民に対し、再建と平穏と安定と国民的統一、さらには現状どおりイラクが領土的統一を保ち続けることを望んでいる、と強調した。




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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:2300 )