フランクフルト・ブックフェアのトルコブース、今年から宗教関連出版社の協会が担当に(Radikal紙)
2006年05月10日付 Radikal 紙

文化観光省は、フランクフルトのブックフェアで、トルコブースの運営を宗教関連書籍を発行している出版社でつくる印刷出版協会に任せた。過去6年間はトルコ出版社協会が務めていた。

出版業界で、世界で最も重要なイベントとみなされているフランクフルト・ブックフェアへのトルコブースの運営を、今年はトルコ出版社協会(TYB)に代わり、印刷出版協会(BYB)が担当することになった。文化観光省は、1999年以来運営を担当していたTYBに代わり、保守的な出版社で構成されるBYBに仕事を任せた。

驚きを持って迎えられたこの決定は、出版社に10年前の福祉党政権時代に起こったことを思い起こさせた。当時、(旧)文化省が開いたトルコブースには、BYBや宗教財団、宗務庁のような組織が出版したより宗教的な内容の書物が並んでおり、TYBは系列の出版社の本をブースから引き上げていた。さらに、トルコブースでアザーン(イスラームの祈りの時間を知らせる呼び声)を唱え、礼拝をすることも計画されていた。

BYBは、保守的で、特に宗教的な内容の書物を出版している200以上の出版社で構成される。BYBの会員の一部は、同時にTYBの会員でもある。BYBのハヤティ・バイラック会長は、ミッリイェト紙別冊「Kitap(本)」の4月26日号で、加盟する出版社の多くがコーランを出版していると説明した。今回の決定について意見を聞くためバイラック会長に電話をしたところ、テヘランにいるということなので、代わりに副会長のムスタファ・エルデム氏に話を聞いた。

ムスタファ・エルデム副会長は、10月4日から8日まで開かれる第58回フランクフルト・ブックフェアで、文化面でトルコを代表するすべての分野の作家に対し、著作を置くスペースを与えると話している。エルデムによると、トルコブースの運営を行うことはBYB自らが申し出たという。

文化観光省は、ブックフェアのトルコブースの運営に関し、TYB以外に2つの別の組織からも提案を受けたため、文学の分野で活動するさまざまな組織や団体に呼び掛けて会議を開いたとされる。会議の参加者も、ブース運営には経験が大変重要であることから、TYBが運営を行うべきだとの見解を伝えたという。
にもかかわらず、文化観光省は(運営主体に)BYBを選んだ。ではなぜこのような決定が下されたのか。この件について、文化観光省図書館・出版総局のアフメト・アル局長に尋ねたところ、アル局長は各組織の態度について次のようにまとめた。
「今年はフランクフルト・ブックフェアでのトルコブースの運営にいくつかの組織が手を挙げた。申し出てきた組織が複数であったため、我々は各組織と会議を開いて意見を聞いた。BYBは、運営を共同で、あるいは新しい組織として行う提案をした。TYBはというと単独で行うことを望んだ。私たちもBYBの共催案を認め、彼らにブース運営を任せた」。

TYBのメティン・ジェラル理事長は、「国際的なブックフェアの各国を代表するブースは、その国の出版社協会が運営するものだ。個人的には、この決定には政治的な判断が働いたと考えている」という見解を示した。
トルコブースの運営を6年間TYBが担当した背景には、フェアを主催するドイツ出版社協会の要請があった。ドイツ出版社協会は、各国を代表し、国際出版社協会に認められている組織が参加することが望ましいと考えているからである。

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( 翻訳者:新井 慧 )
( 記事ID:2401 )