シナイ半島北部でも2件の自爆(アル・アハラーム紙)
2006年04月27日付 Al-Ahram 紙
■ シナイ半島北部で2人が国際部隊と警察の車両に対し自爆
■ 山間部への逃走者を追跡するためカイロから9つの治安部隊を派遣
■手配中の「タウヒード・ワ・ジハード」のメンバー二人が実行後に逃走
■ 二人の身元確認のためベドウィン部族長たちに顔を公開
■ ダハブの自爆犯たちの似顔絵が完成
■ 事件の再発を恐れ、シナイ半島の警察が警戒態勢
■ ラーディー報道官:北シナイでの2つの爆発は小規模であるが、ダハブでの爆発に関係がある
2006年04月27日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
昨日シナイ半島北部のシェイフ・ザウィードにあるグーラ空港付近で2人の自爆者による多国籍軍車両と警察車両を狙ったテロが発生した。テロリストは車両まで到達することができずに身に着けていた爆弾が爆発、体がばらばらになった。国際部隊の車両の前面が深刻な損害を受けたが、運転手や中にいた人は無事だった。
また事件の現場から2kmほど離れた場所で、別の自爆者がバイクでエジプト警察の車両を攻撃しようと試みたが、シェイフ・ザウィードの警視であるマフムード・アッザムート准将が事前に察知し、伴っていた人員に車から降り土嚢の陰に隠れるよう命令、爆発物は犯人が警察車両にぶつかる前に爆発して自爆者の体を吹き飛ばし、警察車両に損害を与えたが、部隊は全員無事だった。
北シナイ県のアフマド・アブドゥルハミード知事と検察当局のチームが検分のため2つの爆発の現場におもむき、自爆者の遺骸を収集した。自爆者のひとりは色が浅黒く顎鬚は生やしておらず、体に爆発物のベルトをつけていた可能性が高い。2人目の外見にはベドウィンの特徴がはっきり認められたため、保安隊は直ちに部族長やベドウィンの代表者を招集し、身元確認のためふたりの顔を見せた。
首相の報道官であるマグディー・ラーディー氏は北シナイでの2つの爆発を極めて限定的な事件と評した。またラーディー氏はアメリカのCNN局に対し、これらの事件の犯人達が自爆者である事から北シナイで起きた2つの爆発とダハブで起こった爆発には関連があると考えている、と明言した。
またハビーブ・アル=アーディリー内相は、逃走者数人が隠れている山間部の拠点を封鎖し、テロリストが狙っているとの情報がある治安施設を守るため、中央治安部隊の援助を受けた9つの治安部隊をカイロから北シナイ地方に派遣するよう命令した。
すでにシナイ半島の警察部隊は警戒態勢を取っているが、手配中のテロリストたちは追っ手から逃げるためどの目標でも攻撃する可能性があるとの情報を受け、各所の見張りに当たっている諸部隊に対し車が止まった際には要注意するよう指示を下した。
本紙の司法担当編集者であるアハマド・ムーサー記者が得た情報によると、治安機関は実行犯の一人がシナイ中部出身のナスル・ハミース・アル=マラーヒーというテロリストである可能性が高い。彼はサーレム・アッシャヌーブという指導者の部下であり、シャルム・シェイフとタバの爆発、おそらくダハブの爆発でも主な役割を果たした指名手配犯の一人として追跡が行われていた。
関係筋によると北シナイで起こった事件はタウヒード・ワ・ジハード団の逃亡者たちによるものであり、昨年の夏にこの組織のメンバーが明らかにされて以来彼らの捜索が行われた結果、警官たちと多国籍軍部隊に対する限定的な作戦に至ったと見られる。また実行犯の2人が十分な訓練を受けていなかったことは、彼らの目的が2つの事件をマスメディア的に利用する事にあったことを示している。
(後略)
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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:2448 )