ビュレント・エジェヴィト元首相、危篤(Milliyet紙)
2006年05月19日付 Milliyet 紙
トルコ政界の重鎮で元首相、民主左派党の名誉総裁でもあるビュレント・エジェヴィト氏(81)が高血圧による脳内出血のためギュルハネ軍事病院に搬送された。すぐに手術が始められたエジェヴィト元首相の容態は、重篤であることが分かった。右半身が麻痺した元首相は、蘇生ユニットで生命維持装置につながれた。
エジェヴィト元首相は、18日にコジャテペ・モスクで行われた行政裁判所第2部局襲撃事件で死亡したユジェル・オズビルギン氏の葬儀にラフシャン夫人とともに参列した。そして夜8時頃、オル・アン住宅区にある自宅で突然、容態を悪化させた。
■意識不明だった
ラフシャン・エジェヴィト夫人が側近のレジャイ・ビルギュル氏に状況を知らせ、ビルギュル氏はエジェヴィトの主治医、ムジャヒト・ぺフリヴァン医師に連絡した。主治医が応急処置をした際、エジェヴィト元首相は意識不明だったことが分かった。
救急車でギュルハーネ陸軍病院に搬送されたエジェヴィト元首相は、まず救命救急室へ、続いて集中治療室に入った。最初の検査で脳内出血を起こしていることが判明し、また右半身にも麻痺を起こしていることが分かった。
専門医チームが召集された後、22時30分頃に手術が始まった。元首相の脳内の出血が止血された。しかし麻痺に関してはいかなる措置もできないことが明らかとなった。
■アクダー大臣の来訪
脳が部分的に機能し続けているため、元首相は蘇生ユニットに移動し、ここで生命維持装置につながれた。容態が重篤なエジェヴィト元首相の対応のため、ギュルハネ軍事病院は緊急体制をしいた。一方、関連省庁には元首相の病状についての報告がなされた。
手術が行われている際、ラフシャン・エジェヴィト夫人は薬剤によって気持ちを落ち着かせるよう努めた。レジェプ・アクダー保健相もエジェヴィト元首相の手術中に病院に入り、情報収集を行った。民主左派党のゼキ・セゼル党首と党幹部達も連絡を受けるや否や、ギュルハネ軍事病院に駆けつけた。セゼル党首と民主左派党の執行部メンバーらは、ギュルハネ軍事病院へ入ることが許された。
総裁としての任期末に、まず「筋無力症」と診断され、その後「パーキンソン病」の症状も出たことが知られているエジェヴィト元首相は、骨粗しょう症も煩い、時に調子の悪い時期を過ごしていた。
新聞記者との対応時にも、会話が困難だったエジェヴィト元首相は、自宅での動きもきわめて限られていたことが知られていた。
本紙が印刷に入った時間帯にはエジェヴィト元首相の容態は重篤なままだった。
■オズビルギン氏の葬儀で疲れの色
18日、コジャテペ・モスクでの葬儀のとき、エジェヴィト元首相がやっと立っていられるような状況であったことが目撃されている。モスク中庭の階段で付き人の助けを得てやっと上ることができたエジェヴィト元首相を、ラフシャン夫人が支えていた。専門家は、エジェヴィト元首相が大変な混雑と抗議運動があった葬儀のなかで興奮した可能性があると話した。また、悲しみの苦痛、そして長時間立ったままでいたことが原因で症状が出た可能性があると述べた。
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( 翻訳者:藤巻 晋也 )
( 記事ID:2463 )