アタテュルク廟でデモ行進 -行政裁判所銃撃事件に抗議(Milliyet紙)
2006年05月19日付 Milliyet 紙
高等司法制度の三つの重要な柱である憲法裁判所、最高裁判所、そし行政裁判所は、行政裁判所第二部局メンバーへの銃撃に対し、アタテュルク廟でのデモ行進で抗議した。このデモ行進には、何万人もの国民も参加し支持を示した。司法関連機関の全ての代表が参加したデモ行進に、ジェミル・チチェキ法相はじめ政府の代表は参加しなかった。
■政府からの参加者はなし
アタテュルク廟のライオン・ストリートで18日11時に始まったデモ行進には、憲法裁判所のトゥライ・トゥージュ長官、行政裁判所スムル・チョルトオール代表、最高裁判所オスマン・アルスラン長官、同じくヌリ・オク共和国検事長、行政裁判所のザフェル・カンタルジュオール検事長、トルコ弁護士連合会オズデミル・オゾック会長、会計検査院メフメト・ダマル院長、軍事最高裁判所のアフメト・アルクシュ陸軍准将のほか、多くの裁判官、検察官、そして弁護士達が参加した。
デモ行進には、法務省のファフリ・カスルガ事務次官も参加した。また共和人民党(CHP)の国会議員の一部、高等教育機構のエルドアン・テズィチ理事長、退役した将軍ら、大学学長、医師、市役所職員、そして一部にはスカーフをかぶった女性たちなど、何万人もの国民が参加し支持を表明した。
トゥージュ憲法裁判所長官、チョルトオール行政裁判所長、そしてアルスラン最高裁判所長官は、「行政裁判所」とかかれた花輪をアタテュルクの墓石にたむけた。3人は、アタテュルク廟でチョルトオール行政裁判所長が記帳したメッセージに一緒にサインした。三人でサインすることで、高等司法に対する攻撃が「単に行政裁判所だけではなく司法全体への攻撃だと考えている」というメッセージを発した。記帳メッセージでは、どんな力もアタテュルクの原理原則から司法を遠ざけることは不可能だと強く主張した。
■霊廟内でのスローガンに許可
石棺の前を通る市民達には、オヌンジュ・ユル・マーチとゲンチリッキマーチと歌ってスローガンを叫ぶことがはじめて許可された。市民の一部は石棺の前で祈りをささげた。その一方で、アンカラ市役所の女性集会所から参加したスカーフをかぶった女性たちは、銃撃をスカーフと関係付けることは無意味と述べ、「アタテュルクに対する我々の尊敬の念が妨げられることは不可能」と話した。
アタテュルク廟をあとにした市民達は、手にプラカードをもち行政裁判所へと歩いた。人々は歩きながら「モッラー(*1」はイランへ」、「首相は殺し屋、首相は人殺し」「モッラーが牛耳る政府は辞職せよ」というスローガンを叫んだ。
行政裁判所へ入る際、制服を着た軍人達の拍手の音がより大きくなった。
*1 モッラー:イスラム法廷の裁判官のうち高位にある者。
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( 翻訳者:近岡 由紀 )
( 記事ID:2464 )