マルジャエ・タグリード(宗教最高権威)、女性の競技場入場に反対 シャルグ紙
2006年04月27日付 Sharq 紙
2006/04/27シャルグ紙一面
【社会部】イランのアフマディーネジャード大統領の指示がマルジャエ・タグリードの反対に遭ったのはこれが初めてのことである。大統領は、おもにパレスチナと核エネルギーについて語った月曜日の記者会見開始前に、モハンマド・アリー・アーバーディー体育庁長官に送った書簡の中で、競技場の最もよい席を女性たちに割り当てるように要請した。この大統領の指示は記者会見の間、他の話題に紛れてしまっていたとはいえ、忘れられていたのはその時だけで、その日以降、マルジャエ・タグリードは、女性が競技場に入場することが合法か違法かを問う一般信徒からの教令要請に直面し、「許されていない、違法だ」と答えた。
●マルジャエ・タグリード、大統領の見解を認めず
マルジャエ・タグリードが大統領の指示に反対したのは、そもそもイスラーム法で女性が男性の身体を見ることが、たとえ(性的な)快楽のためでなくても不法行為とされていることを根拠としている。アーヤトッラー・モハンマド・ランキャラーニー師は質問と教令の求めに応じて次のように述べた。
《第一にイスラーム法学では、たとえ(性的な)快楽や別の思惑がなくても女性が男性の身体を見ることは許されていない。第二に、イスラームが多大な関心を払っている問題として女性と男性が座を同じくしないということがある。西洋社会や残念ながら国内の一部の集団でも、男女の混交がいかに多くの腐敗を引き起こしているかは明らかである。従って、 男女の混交が起こる公共の競技場に女性が入場することはいかなる理由があっても違法である。またこうした競技場において、たとえ女性に特別な場所が割り当てられたとしても、男女混交による腐敗が結果として起きる。そこでイスラーム共和国政府は、スポーツ事業において、イスラーム法の規範を完全に遵守した独立した場所を女性のために割り当て、男女差別が起こらないようにする必要がある。政府の責任者たちの行動が、イスラーム的価値観の再興をめざし、これ(イスラーム的価値)を傷つける事柄を回避するよう期待する。神はあらゆるイスラーム法規定の実践を祝福されるだろう。》
<中略>
●独身女性はスタジアム入場禁止
アフマディーネジャード大統領の書簡を受け、体育庁長官は大統領の指示について最新の見解を発表し、「大統領が出した指示を次のように修正するよう努める。女性がスタジアムに入場できるのは家族を伴う時に限り、独身女性が入場することはできない」と説明した。
女性にとっての競技場入場は容易ではないと思うかもしれないが、女性たちはこれまで何度かアーザーディー・スタジアムに行っていることに触れておかなければならない。初めて女性たちがスタジアムに入場したのは、イランが前回のサッカーワールドカップ出場を決めて盛り上がったイラン‐オーストラリア戦からイラン・ナショナルチームが帰国した直後で、許可は与えられていなかった。その後も何度かアーザーディー・スタジアムに女性が入場している。ドイツ・イラン戦では特別指定席(イエローシート)と報道席で女性が観戦していた。またイラン・バーレーン戦でも女性はスタジアムに入場している。
注)マルジャエ・タグリード:イスラーム教12イマーム派におけるイスラーム法学の最高有識者
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( 翻訳者:村上 遥 )
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