エジェヴィト元首相の危篤、続く(Milliyet紙)
2006年05月21日付 Milliyet 紙

民主左派党のゼキ・セゼル党首は、ビュレント・エジェヴィト前首相の容態に悪化の兆候はないことを明らかにし、次のように続けた。「21日の朝、48時間の睡眠期が終了した後に医師らが状況を判断する予定だ。ご承知のように、この睡眠期は体の回復を助ける効果がある。」


■検査結果は悪くない
セゼル党首は、20日13時に行ったエジェヴィト元首相の容態に関する会見で、精密検査の結果、エジェヴィト元首相の容態は回復に向かっていると説明した。セゼル党首は「医師団の説明によれば、容態が悪化しているということはない。検査からこのような結果がでたと説明を受けた。これは本当に喜ばしいことだ。」と話した。

エジェヴィト元首相が昏睡状態であるといわれていることについて同党首は、「医師団はこの状態を『昏睡』でなく『睡眠薬で眠らされている状態』としている。眠らされている理由は、体内の回復を助けるため」と述べた。また同党首は、エジェヴィト元首相が今日まで多くの危険を乗り越えてきたことを強調し、次のように続けた。

「エジェヴィト元首相は、これまで危険を乗り越えてきたパワーと、そして確固たる意思で、今回の状況も乗り越えるだろう。我々は心底こう信じている。信じることだけでなく、医学的データも悪化を示していないということは、本当に喜ばしいことだ。トルコ国内の現在の状況には、エジェヴィト元首相の聡明な人柄、リーダーシップ、そして希望の光を本当に必要としている。」

セゼル党首は、ラフシャン・エジェヴィト夫人もとても元気で健康状態もよく、精神的も安定していると説明した。エジェヴィト元首相の睡眠期が延長されるかどうかに関する質問に対しては、「48時間がたった後で医師団が判断する。」と答えた。エジェヴィト元首相が眠っている間、ガーゼで覆われた両目が乾かないように、ガーゼに水分を含ませていることが分かった。

GATA(ギュルハネ軍事病院)が20日10時の時点で発表したマスコミ用の情報資料でも、「検査の結果、現状を維持しており、19日にマスコミに発表した状態が続いている。」とのことだ。


■デミレルの訪問

スレイマン・デミレル第九代共和国大統領は、政治人生のなかで最も大切なライバルの一人であったビュレント・エジェヴィト元首相を見舞うため訪れたギュルハーネ陸軍病院で、ラフシャン・エジェヴィト夫人と会い、一日も早い回復を願っていることを伝えた。デミレル元大統領は、約20分間の訪問の後で会見を行い、「ビュレントの奥方、ラフシャン夫人とお会いした。早く回復されますようにと申し上げ、我々の心痛もお伝えした。」と語った。デミレルは、エジェヴィト元首相の容態にとくに変化はなく、しばらくはこのような状態が続くと説明されたと言い、「万が一のことを考え心の準備をするといった状況にはないと説明を受けた。」と述べた。


■鉱山労働者たちの忠誠心

20日、アマスラから15人の鉱山労働者がギュルハーネ陸軍病院を訪れた。「日焼け肌(褐色)のエジェヴィト」と書いた写真を手に持ち、「一日も早い回復を」という想いを伝えたいと病院に願い出た。セゼル党首とラフシャン・エジェヴィト夫人の了承により病院内へ入ることが許可された。


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( 翻訳者:丹羽貴弥 )
( 記事ID:2481 )