カンヌ映画祭開幕 トルコからはジェイラン監督の新作などが受賞狙う(Milliyet紙)
2006年05月17日付 Milliyet 紙

 第59回カンヌ国際映画祭は今日開幕する。映画祭は5月28日まで続く。世界をリードする映画関係者と共に、トルコの若手映画関係者が存在感を示している。

 映画祭には、トルコから多くの作品が出品される。2003年に、映画「UZAK 冬の街」でカンヌの審査員大賞を受賞したヌーリー・ビルゲ・ジェイランは「İklimler イクリムレル[日本語訳=気候]」で再びアピールする。今回ジェイランは、夫人のエブル・ヤプジュと分け合って主役を演じている。パルムドール[カンヌ映画祭の最高賞]に向けて、製作、監督、脚本、俳優の4部門で候補となっている。今年のジェイランのライバルたちは2003年の時よりも強力だ。

 アルモドヴァル、モレッティ、リンクレイターなどの巨匠の他、デュモン、コスタのようなジェイランと同じ部門の優秀な監督がパルムドールの候補だ。

 短編映画のコンペティションでは、ベルマ・バシュの「Poyraz ポイラズ[日本語訳=北の方角/北東の寒風]」という題の35ミリフィルム映画がパルムドールを競う。映画関連の協会に勤務し、翻訳にも携わるベルマ・バシュがこの部門でノミネートされたことは喜ばしい驚きだった。

■ビロル・ウネルとハンデ・コジャ

 「Duvara Karşı 愛より強く」※でヨーロッパの人気俳優の仲間入りを果たしたビロル・ウネルは、ロマ人の音楽に関する映画で知られ、ロマに出自を持つフランス人監督トニー・ガトリフのコンペティション外上映作品「トランシルヴァニア」で主演の一人を演じている。ウネルは、孤独で自由、境界というものを知らず、家族もなく、多くの言語を操るが全てをなまって喋る、神秘的な「チャンガロ」役を熱演している。

 フランスで数多くのテレビ映画やシリーズものに出演しているハンデ・コジャは、パトリック・グランペレの「Meurtrieres 殺人者」という名の映画に驚きの出演を果たした。ある視点部門に出品されたこの映画で、コジャは、幻想を追い求め、未知の世界に熱中する二人の若い女性の一人を生き生きと演じている。



※ 以前の記事では日本語に直訳した「壁に向かって」というタイトルで紹介。
「愛より強く」公式HP
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http://www.elephant-picture.jp/aiyori/


【関連記事】
2005-12-12  米国ニューズウィーク誌:2005年最優秀映画にトルコ系ドイツ人監督作品選ぶ(Hurriyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/newsdata/News20051212_1498.html

2006-05-01  5月17日からカンヌ映画祭開幕 トルコからも出品(Hurriyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/newsdata/News2006522_2498.html



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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:2497 )