欧州メディア、トルコについてEUへ警告(Milliyet紙)
2006年05月23日付 Milliyet 紙

イギリスで出版されているフィナンシャル・タイムズ紙ならびにガーディアン紙は、22日、EUに対してトルコに関する警告を発する記事を掲載した。

22日付フィナンシャル・タイムズ紙は、論説のなかで「トルコは生みの苦しみを味わっており、EUはこのように困難な時期にあるトルコに対して助けの手を差し伸ばすべき」と論じた。論説記事は、「先週、行政裁判所のメンバーが殺害された事件が、トルコ政府と世俗主義者層の間に緊張をもたらしている」と述べ、次のように解説している。「EUがトルコを遠ざけている態度がこの二つの層の分離を大きくさせているのだ。」


■イスラームとの新たな出発
 ガーディアン紙のマデレーン・バンティング論説員も、「EUはトルコの加盟を認めることで、イスラームとの新たな一歩を踏み出すことができるだろう。」と述べ、次のように強調した。「EUは自らのアイデンティティー問題についてとやかく言うのをやめ、文明間衝突のスローガンを葬り去るチャンスをものにする必要がある。」
またバンティング論説員は、「トルコには多くのクルド人、アルメニア人、そしてギリシャ系住民が一緒に暮らしていること、そしてスカーフを巻いた女性とモダンな服装をした女性が仲良く腕を組んで歩いていること」を指摘し、次のように続けた。「このような状況はトルコのEU加盟に最も有力な長所のひとつだ。」

 経済分野の代表紙、ウォール・ストリート・ジャーナル紙も、イスラーム主義者と世俗主義者の間にすでに高まっていた緊張が、行政裁判所襲撃事件のあと大変危険な状態に陥っていると述べた。数ヶ月前、同紙は与党公正発展党(AKP)が非常に強いとの見解を述べた。しかし今回の記事では、「クリーンとして知られる公正発展党の人気は、汚職やスキャンダルにみまわれて崩壊した」と述べた。


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( 翻訳者:岩根 匡宏 )
( 記事ID:2501 )