トルコ・ギリシャ両空軍機、エーゲ海で空中衝突(Milliyet紙)
2006年05月24日付 Milliyet 紙
エーゲ海で何年も続いていた空中戦は昨日悲劇をもたらした。トルコとギリシャのF16戦闘機が衝突したのである。トルコのパイロットオズデミル中尉は、飛行機から飛び出して助かったが、ギリシャのパイロットは死亡した。
トルコ、ギリシャ両空軍のF16は、ロードス島の35マイル南で空中戦をしているうちに衝突して墜落した。この事故で、トルコ人パイロットのハリル・イブラヒム・オズデミル中尉は、彼を救助に来たギリシャに対して、その地域がトルコの捜索‐救助地域であるという理由で許可を与えなかった。
■12時48分に発生
国際空域で、さらに、エーゲ海上での空中戦においてはじめて起こったこの事故は、昨日の12時48分に起こった。バルケスィルの空軍第9基地にある第 192航空師団に属する2機のF‐16と2機のF‐14型戦闘機は、計画されていた公海の警備のためにダラマンから飛び立った。
非武装のトルコ戦闘機がギリシャのカルパトス島付近に到達すると、トルコの戦闘機を妨害するために、クレタ島から2機のギリシャ戦闘機が飛び立った。ギリシャの戦闘機がトルコ機付近に到達すると、エーゲ海の公海上で空中戦が始まった。
お互いの後ろに回って武器システムの標的を合わせながら続いていた空中戦の途中で、ギリシャの戦闘機とトルコの戦闘機が衝突した。オズデミルは、このときイスの脱出装置によって、戦闘機から脱出してパラシュートを開いた。戦闘機は、ロードス島の35マイル南、カルパトス島から15マイルのところに墜落した。
エーゲ海に降りた後、海岸警備のボートによる救助を断ったオズデミルは、「私はギリシャの船に乗らない」と言って、このとき事故現場付近に居合わせたパナマ船籍のトルコの貿易船ガスセンチュリー号によって助けられた。ここからトルコ空軍のヘリコプターに乗り、15時にダラマンに到着したオズデミルは、フェティエ病院で治療を受けた。
外務省は、「トルコのパイロットが助かり、ギリシャのパイロットがなくなったという悲しい知らせを受けた」と発表した。アンカラのコジャテペ・モスクで、先日殉職したムスタファ・カレ軍曹の葬儀に参列していた参謀総長のヒルミ・オズキョクも、事故の情報を聞くとすぐに本部に戻った。ギリシャの戦闘機が、トルコの戦闘機の妨害をしようとした原因として、飛行情報区の違反があったとした。
ギリシャのTV局チャンネル9は、エジプト航空のカイロ-ウィーン間で運航をしていた旅客機が爆発を目撃し、それを管制塔に伝えたことがわかった。
■アメリカ:悲惨な事故である
エーゲ海での悲しい事件を、「悲惨な事故」と見ているアメリカ合衆国の外務省スポークスマン、ショーン・マコーマックは、「この種の事故が起こるのは非常に恐ろしいことだ。誰もこんなことは望んでいない。我々は、トルコ政府とギリシャ政府が協同して、こんな事故をこれ以上繰り返さないよう望んでいる」と呼びかけた。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:2516 )